研究課題/領域番号 |
63860037
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大久保 忠旦 東京大学, 農学部, 教授 (90115535)
|
研究分担者 |
善林 明治 京都大学, 農学部, 助教授
松井 寛二 東京大学, 農学部, 助手 (50126166)
澤崎 徹 東京大学, 農学部, 助教授 (00012047)
近藤 誠司 北海道大学, 農学部 (20112576)
小竹森 訓央 北海道大学, 農学部, 助教授 (10001447)
|
キーワード | 補助エネルギ-消費(畜産) / 牛乳生産システムのモデル / 肉牛生産システムのモデル / 補助エネルギ-の効率(畜産) |
研究概要 |
現実の農家における家畜生産システムの模型として大学附属牧場を対象とし、牛乳生産(東京大)、放牧主体の肉牛生産(北海道大)、舎飼主体の肉牛生産(京都大)の各生産方式における生産量を、土壌・気象・人為管理に関するパラメ-タと資材、太陽エネルギ-量などの入力によりコンピュ-タで再現、シミュレ-ションを行ないつつ生産予測までを可能とするようなソフトウェアを開発すること、をこの研究はねらいとしている。そのため、生物学的には土壌ー植物ー家畜系を流れる太陽エネルギ-の転化過程を測定し(野外実測)、同時に人為的管理の影響を量的に見るために、それぞれの生産段階で投入された補助(化石燃料)エネルギ-をも測定した。過去も含めて6年〜10年の記録について、東大・北大・京大の各牧場の生産システムの記録をエネルギ-収支と補助エネルギ-投入の観点で整理した。これらを用いてシミュレ-ション実験をするための数式モデルは、尚検討中である。 生産量がどのくらいの補助エネルギ-投入で得られたかを、産出/投入比(補助エネルギ-投入効率)で表わすと、牛乳生産システムの例では、平均乳量5700kgの牛群で、牛乳1MJの生産に要した補助エネルギ-の内容は、飼料関連の投入で93%を占め、生産管理の投入(電力)は7%であった。この飼料関連の1/2は濃厚飼料としての投入、他の1/2は粗飼料生産のための肥料としての投入が大部分を占めている。濃厚飼料とともに肥料の利用の適否が、産出/投入比に影響することを示している。牛乳生産全体の産出/投入比は0.27で、以前に調査した草地型酪農0.35(弟子屈)と都市近郊型酪農(豊田市)0.26の中間、やや都市型に近い。粗飼料生産における効率では、搾乳牛の短時間放牧は余り高くなく、低水分サイレ-ジが高く、乾草は低かった。これらの特徴は、次年度の数式モデルに取り込みたい。
|