研究分担者 |
善林 明治 京都大学, 農学部, 助教授
松井 寛二 東京大学, 農学部, 助手 (50126166)
澤崎 徹 東京大学, 農学部, 助教授 (00012047)
近藤 誠司 北海道大学, 農学部, 助教授 (20112576)
小竹森 訓央 北海道大学, 農学部, 助教授 (10001447)
|
研究概要 |
現実の農家における家畜生産システムの模型として大学附属牧場を対象とし、牛乳生産(東京大)、放牧主体の肉牛生産(北海道大)、舎飼主体の肉牛生産(京都大)の各生産方式における生産量を、土壌、気象、人為管理に関するパラメータと、資材、大陽エネルギー量などの人力によりコンピュータで再現、シミュレーションを行ないつつ生産予測までを可能とするようなソフトウェアを開発すること、をこの研究はねらいとしている。そのため、生物学的には土壌〜植物〜家畜系を流れる大陽エネルギーの転化過程を測定し(野外実測)、同時に人為的管理の影響を量的に見るために、それぞれの生産段階で投入された補助(化石燃料)エネルギーの流れを測定した。併せて過去も含めた6年〜10年の資料について、東大、北大、京大の各牧場の生産システムの記録をエネルギー収支と補助エネルギー投入の観点から整理した。これらを用いてシミュレーション実験をするための数学モデルを作成したが,全システムのモデルについては,一部の数式化に問題が残ったので,次段階の研究にゆずった。 補助エネルギーの効率を産出エネルギー/投入エネルギーの比で示すと,牛乳生産システムの例では、平均乳量5700kgの牛群で,牛乳生産システム全体の産出/投入比は0.28であり,代表者らが予め調査した現実の酪農家の経営体群の場合の草地型酪農(弟子屈町)の0.35と,都市近郊型酪農(豊田市)の0.26の中間となった。牛乳生産に要した補助エネルギーの90%が肥料を含む飼料生産関連と購入飼料であり,飼料の内訳では肥料が全体の1/2,濃厚飼料が残り1/2を占めた。電力,薬品など管理のための投入は10%以下であった。飼料生産物ではサイレ-ジが乾草よりも効率が良い。しかし北海道大学の乾草生産システムは他のサイレ-ジ生産システムと同水準の高い効率を示した。
|