研究課題/領域番号 |
63860040
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
品川 森一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00001537)
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研究分担者 |
百渓 英一 農林水産省, 家畜衛生試験場・北海道支場, 主任研究員
堀内 基広 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (30219216)
石黒 直隆 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (00109521)
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キーワード | スクレイピ- / バイオプシ-診断 / PrP検出 / 発症前の診断 |
研究概要 |
1。実験感染ヒツジからのPrPの検出:実験感染したヒツジの内、14ヶ月目にリンパ節のバイオプシ-を行なった3頭中1頭にPrPが検出され、その6ケ月後にスクレイピ-を発症した。まだ残り2頭中1頭が5ヵ月後に発症し、何れも発症時には検査した脳、リンパ節および脾臓からPrPが検出された。これらの成績はマウスと同様に発症前からリンパ節あるいは脾臓にPrPが蓄積されることを示していると同時に、マウスほど遺伝的な背景が均一でないため、成績がバラつくことを示している。しかし少なくともPrPが検出された個体はスクレイピ-を発症することが確かめられた。発症前いつからPrPが検出されるようになるかは重要な点であり、将来遺伝的な正常の均一なヒツジを用い、例数を増した実験が必要なことが判った。 2。胎盤からのPrP検出:妊娠しているヒツジがスクレイピ-となった例の胎盤を分与され、PrPの検出を試みることができた。陰性対照が存在しない不完全な試験であってが、PrPが検出された。このことは出産時期に、感染雌を摘発することが可能なことを示唆している。リンパ節のバイオプシ-より出産時に胎盤を個体別に採取し検査することは将来検討する価値が充分ある。現在さらに陰性対照と一例スクレイピ-の疑われる個体の胎盤の分与を受けたため、この点を確かめている。 3。他機関への技術譲渡:本技術の信頼性を確かめるため、また野外での応用に役立てるため、これまでの幾つかの試験研究機関に追試験を依頼していたが、スクレイピ-を扱う体制が出来ていない等の理由で実現されなかった。今回、農林水産省家畜衛生試験場において実施される運びとなった。
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