研究課題/領域番号 |
63860040
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
品川 森一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00001537)
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研究分担者 |
百渓 英一 農林水産省家畜衛生試験場北海道支場, 主任研究員
堀内 基広 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (30219216)
石黒 直隆 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (00109521)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | スクレイピ- / バイオプシ-診断 / PrP検出 / 発症前の診断 / Biopsy |
研究概要 |
1。抗ヒツジPrP抗体の作成:SAF画分からSDSーPAGEにより精製されたヒツジPrPを免疫して作成したウサギ血清は抗体価も特異性も高いものであった。またウシPrPともヒツジのそれと同様に反応した。 2。ヒツジ臓器からのPrP検出用試料の調製:マウス臓器の為に用いていた方法をヒツジ組織のために改良を行なった。 3。PrPの検出:スクレイピ-と診断あるいは疑われたヒツジ7頭、と畜場で食肉用に屠殺されたヒツジ30頭、外部の農場から帯広畜産大学に導入され、別の研究目的に供されたもの17頭、および実験感染させたもの10頭、合計64頭の臓器からPrPの検出を行なった。 臨床的にも病理組織学的にもスクレイピ-と診断されたヒツジ6頭は何れもPrPが検出された。臨床的にスクレイピ-が疑われ病理組織学的に否定された1頭からは検出できなかった。と畜場から分与を受けた臓器からは全例検出できなかった。一見健康で別の研究目的に供されたものの内、3頭のリンパ節および脾臓からPrPが検出された。これらは同じ牧場で生産されたものであった。実験的に静脈内接種した群のヒツジから経時的に臓器採取を行なった。接種後16ヶ月および18ヶ月に実験に供した各2頭の内それぞれ1頭の各種臓器にPrPが検出された。また14ヶ月後にリンパ節をバイオプシ-した3頭中1頭にPrPが検出された。このヒツジは6ヵ月後にスクレイピ-を発症した。また14ヶ月には検出されなかった2頭の内1頭は5ヵ月後に発症し、各種臓器からPrPが検出された。さらに家畜衛生試験場より分与を受けたスクレイピ-感染妊娠ヒツジの胎盤からPrPが検出された。このことは臨床応用の際、試料採取を考慮するうえで重要な知見と云える。 家畜衛生試験場でスクレイピ-を扱う体制が整ったため、本法の実地での応用を依頼している。
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