研究課題/領域番号 |
63870002
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
安田 健次郎 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90050327)
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研究分担者 |
塩沢 昌英 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50170840)
相磯 貞和 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60138013)
山下 修二 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90050666)
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キーワード | γ-glutamyl transpeptidase / in situ hybridization / ノザンハイブリダイゼーション |
研究概要 |
従来、物質の局在を検索するためには、目的とする分子の抗原決定基を認識する抗体を用いた免疫組織化学的方法が主に用いられてきた。しかし、抗体で捉える事のできない物質の局在や、拡散によるアーティファクトの克服などの問題が存在する。そこで我々は細胞における直接的な蛋白質の産生を証明するため、抗体を用いる免疫組織化学的方法と組織切片上でmRNAに相補的なDNAかRNAをプローブとしてハイブリダイズさせるin situ hybridization法を用いて、物質の局在を明らかにするアプローチを試みた。 1.mRNA量の検定 当初はglutathione S-transferase(GST-π)を用いる予定だったがmRNAコンテントが不明なため、γ-glutamyl transpeptidase(γGTP)のcDNAクローンを用いて、腎臓、肝臓中のmRNAの検出感度をノザンハイブリダイゼーションにより調べた。ヒト腎臓および胎生期肝臓を塩酸グアニジン溶液でつぶし、5.7MCsCl液に重層後、35000γpm、15h遠心後、totalRNAを得た。更にoligodTカラムクロマトグラフィーにより、polyA^+RNAを得た。このpolyA^+RNAを用いて、γGTPのcDNAをプローブとして、ノザンハイブリダイゼーションを行ったところ、polyA^+RNA2μgで2.2kbのbandを検出した。 2.合成プローブの作成 ノザンハイブリダイゼーションにより、γGTPのmRNAが証明されたので、γGTPの塩基配列に相補的な16merのDNAを合成した。また、γGTPと共にGST-π、prolactinに相補的なDNAも合成した。現在、これらの合成プローブおよびγGTPのcDNAクローンを用いて、in situ hybridizationを行っており、抗体を用いた免疫組織化学的方法との比較を行っているところである。
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