研究課題/領域番号 |
63870005
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
鈴木 理 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (70187764)
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研究分担者 |
町田 史彦 ダイキン工業, 電子事業部, 主任研究員
杉本 裕 ダイキン工業, 電子事業部, 副長
江橋 節郎 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 所長 (10009863)
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キーワード | ステロイドリセプター / DNA結合 / βターン |
研究概要 |
特にスラロイドリセプターに注目し研究を行った。ステロイドリセプターは中央にある2連のZnフィンガー(特位配列塩基対認識部位)、C端側のホルモン結合部位、N端の可変部位、フィンガーとホルモン結合部位間のヒンヂ部位、C末端の5部位からなる。ホルモンがリセプターに結合するとDNAへの抑制がとりのぞかれZnフィンガーがDNAに結合すると考えられて来たが、他の3部位の機能は良く性格付けられていなかった。 今回、それらの部位のアミノ酸配列を他の遺伝子制御蛋白質と比較し統計的に検討した結果、ステロイドリセプターを含む遺伝子制御蛋白質には非常に高い頻度でSer(Thr)ーProーxーx(xはSer、Thr、Ala、Leu等)というアミノ酸配列が使用されている事が分かった。このような配列を実際に合成したところこれらの配列はヒストンH1に見出されるSerーProーLysーLys配列ほど強くはないがDNAに結合する事が分かった。 今回開発したプログラムを用いて検討した結果、Ser(Thr)ーProーxーx配列は水素結合を2本持つ特別なβターン構造をとりやすい事が分かった。プロティンデータバンク(ブルックヘブン)に登録された結晶中の蛋白質においてはSer(Thr)ーProーx-x配列の約70%が少なくともどちらか一方の水素結合を持つ。 このようなSerーProーx-xによるβターン構造はDNA結合性薬剤との比較からDNAの副溝にSerの水 結合によって水素結合しているものと結論された。 以上の研究によりステロイドリセプター内のN端、C端、ヒンヂ部がDNA副溝に結合する事が結論されたが、これは新しいステロイドリセプター設計のための重要な手がかりであると思われる。
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