1989 年度実績報告書

イメ-ジフレ-ムメモリによる視野分割刺激装置の試作と脳代謝マッピングへの応用

研究課題

研究課題/領域番号	63870007
研究機関	東京大学
研究代表者	宮下保司東京大学, 医学部(医), 教授 (40114673)
キーワード	イメ-ジフレ-ムメモリ / 眼位測定装置 / 視覚記憶 / 空間記憶 / 下部側頭葉 / 海馬 / PET
研究概要	平成元年度において、視覚刺激装置--FBX24(Texnai)及び眼位測定装置はソフトウェアを含め予定どおり完成した。眼位測定用結膜内コイルの装着手術手技も、ネコなどのを用いた予備練習を経て完成した。FBX24のズ-ム・パン機能を用いて、視野の任意の場所に任意の大きさの刺激図形(本研究では視覚記憶研究において有効性の示されているフラクタル図形を用いた)を平均17msec以内で提示することができるようになった。これにより第一に、サル大脳下部側頭葉の図形記憶ニュ-ロンの反応が、遅延見本合わせ課題の見本図形を提示する視野内の位置・図形の大きさ・向きによらないことが示された。この事実は、記憶ニュ-ロンがコ-ドするのが個々の図形の物理的属性でなく、図形の形の概念に相当するものであることを意味している。第二に、海馬においては、提示された図形の位置に依存して異なった発火をするニュ-ロン郡を発見した。多くのニュ-ロンは刺激図形の形の認知とは関係がなかったが、先行する試行でその図形が提示されているかどうかによって反応を変化させるニュ-ロンも少数見いだされた。これらの結果は、海馬が場所の記憶に関与するとの仮説を支持している。今年度、東京大学医学部付属病院にポジトロン断層撮影装置、(PET)が導入された。付属病院放射線科からの協力依頼により、本研究で開発したイメ-ジフレ-ムメモリによる視覚刺激装置をPETシステム用に改造する計画が進んでいる。PETのベッドから得られる視野が狭いため表示装置として本研究と同様なテレビモニタの使用が困難である、などの新たな技術的問題点が発生してきている。上記の研究成果をさらに発展させ臨床応用にもちこむとは重要な意義があるが、本報告書執筆時には残念ながらまだ稼働していない。

研究成果
(7件)

すべてその他

すべて文献書誌 (7件)

[文献書誌] K.Mori: "Localized metabolic responses to optokinetic stimu-lation in the brain stem nuclei and the cerebellum investigated with the〔^<14>C〕2-deoxyglucose method in rats." Neuroscience(IBRO). 30. 271-281 (1989)
[文献書誌] E.T.Rolls: "Hippocampal neurons in the monkey with activity relat-ed to the place in which a stimulus is shown." J.Neuroscience. 9. 1835-1845 (1989)
[文献書誌] Y.Miyashita: "How is the visual associative memory represented in neurons of the primate temporal cortex?" Neural Programming(ed.M.Ito)Karger. 149-161 (1989)
[文献書誌] P.M.B.Cahusac: "Responses of hippocampal formation neurons in the monkey related to delayed spatial response and object-place memory tasks." Behav.Brain Res.33. 229-240 (1989)
[文献書誌] Y.Miyashita: "Representation of pictorial associative memory in neurons of the primate temporal." Biomed.Res.10supp1.2. 99-105 (1989)
[文献書誌] 宮下保司: "大脳のメモリ-ニュ-ロン" 生体の科学. 40. 121-126 (1989)
[文献書誌] 宮下保司: "記憶・学習の神経機構" 脳のメカニズム(第3回「大学と科学」公開シンポジウム組織委員会編). 132-144 (1989)

1989 年度 実績報告書

イメ-ジフレ-ムメモリによる視野分割刺激装置の試作と脳代謝マッピングへの応用

研究代表者

宮下 保司 東京大学, 医学部(医), 教授 (40114673)

研究成果

[文献書誌] K.Mori: "Localized metabolic responses to optokinetic stimu-lation in the brain stem nuclei and the cerebellum investigated with the〔^<14>C〕2-deoxyglucose method in rats." Neuroscience(IBRO). 30. 271-281 (1989)

[文献書誌] E.T.Rolls: "Hippocampal neurons in the monkey with activity relat-ed to the place in which a stimulus is shown." J.Neuroscience. 9. 1835-1845 (1989)

[文献書誌] Y.Miyashita: "How is the visual associative memory represented in neurons of the primate temporal cortex?" Neural Programming(ed.M.Ito)Karger. 149-161 (1989)

[文献書誌] P.M.B.Cahusac: "Responses of hippocampal formation neurons in the monkey related to delayed spatial response and object-place memory tasks." Behav.Brain Res.33. 229-240 (1989)

[文献書誌] Y.Miyashita: "Representation of pictorial associative memory in neurons of the primate temporal." Biomed.Res.10supp1.2. 99-105 (1989)

[文献書誌] 宮下保司: "大脳のメモリ-ニュ-ロン" 生体の科学. 40. 121-126 (1989)

[文献書誌] 宮下保司: "記憶・学習の神経機構" 脳のメカニズム(第3回「大学と科学」公開シンポジウム組織委員会 編). 132-144 (1989)

1989 年度実績報告書

宮下保司東京大学, 医学部(医), 教授 (40114673)

[文献書誌] 宮下保司: "記憶・学習の神経機構" 脳のメカニズム(第3回「大学と科学」公開シンポジウム組織委員会編). 132-144 (1989)