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1988 年度 実績報告書

体液プロテアーゼの蛍光性ペプチド基質の開発とその実用化

研究課題

研究課題/領域番号 63870017
研究機関九州大学

研究代表者

岩永 貞昭  九州大学, 理学部, 教授 (90029942)

研究分担者 榊原 俊平  ペプチド研究所, 所長 (50072765)
川畑 俊一郎  九州大学, 理学部, 助手 (90183037)
キーワード蛍光性ペプチド / 凝固プロテアーゼ / VII因子 / IX因子 / セリンプロテアーゼ / マウス顎下腺カリクレイン
研究概要

1977年、本研究の代表者らが開発したペプチジルー4ーメチルクマリンー7ーアミド(MCA)は、水解によって遊離する7ーアミノー4ーメチルクマリンを高感度に検出できる点、プロテアーゼのペプチド合成基質として非常に有用であり、今日、血中や生体組織由来のプロテアーゼに対する種々の特異的MCAとして広く活用されている。
本研究では、引き続き凝固・キニン・補体系プロテアーゼに対して、一層特異性の高い高感度基質を開発する目的で、昨年度に合成した70種余りのペプチドーMCA基質を用いて、それらの有効性を検討した。
その結果、マウス顎下腺カリクレインに対する特異基質を見い出した。すなわち、マウスキニノーゲンのカリクレイン水解部位がMet-Ala-ArgーブラディキニンのArgーX結合にあることを知ったので、直ちにBoc-Met-Ala-Arg-MCAを合成し、カリクレイン基質になるかどうかを調べたところ、極めて有用であることが判明した。一方、血液凝固プロテアーゼのVII因子とIX因子に対する良い合成基質は、今日でも全く知られて居らず、関連領域の研究者がそれらの開発を切望している。そこで、IXa因子とVIIa因子の天然基質に対するペプチド切断位置を参考に、Boc-Leu-Thr-Arg-MCAとBoc-Phe-Thr-Arg-MCAを合成し、それらセリンプロテアーゼの基質になりうるかを調べたが、殆ど水解されないことが判った。しかし、その際VII因子とIX因子のγーカルボキシグルタミン酸ドメインを酵素反応液に加えると、やや水解速度が上昇した。また、VIIa因子がその補助因子である組織因子存在下では、Bz-Arg-Pーニトロベンジルエステルを非常によく水解することが判明したので、今後、これらのデータを吟味しつつ、VIIaとIXa因子の最適合成基質を開発したい。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Kawabata,S.: Eur.J.Biochem.172. 17-25 (1988)

  • [文献書誌] Morita,T.: J.Biochem.104. 368-374 (1988)

  • [文献書誌] Takeya,H.: J.Biol.Chem.263. 14868-14877 (1988)

  • [文献書誌] Tokunaga,F.: J.Biol.Chem.263. 17471-17481 (1988)

  • [文献書誌] Hase,S.: J.Biochem.104. 867-868 (1988)

  • [文献書誌] Sugimoto,M.: J.Biochem.104. 878-880 (1988)

  • [文献書誌] 岩永貞昭 他 編集: "ビタミンK:医学・生物学領域における新展開" メディカル・ジャーナル社, 1-332 (1988)

  • [文献書誌] 西村仁 他: "実験医学(特集)" 羊土社, 1236-1243 (1988)

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公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

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