研究概要 |
吸入性アレルゲンとして最も重要なヒョウヒダニについては重要2種コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ共に大量に培養し粗抽出抗原を製作した。昆虫はダニに次いで重要と報告されているユスリカについて多く発生しているセスジユスリカ、オオユスリカ、アカムシユスリカなどを採集し、粗抗原を製作した。分画精製に着手しヒョウヒダニについては上記2種、ユスリカについてはアカムシユスリカの分子量別分画を作製した。ヒョウヒダニは分子量15,000、25,000、32,000、53,000、95,000、190,000の6分画、アカムシユスリカでは5分画を採取した。これらはタンパク量を測定し調整の上、無菌分注しびん詰め標品にした。5%抽出してチオグリコレート培地で無菌試験を行い無菌を確認した。既に各地の研究者の要望に応じて提出しつつあるが成績は未着である。 ヒトのIgG、IgE抗体測定のためのELISA(酵素抗体法)を用いて小児喘息患児、鼻アレルギー患者、健常人の血清を入手し、抗体価、BーepitopeについてG、Eなどについて検討した。 Tーcellレベルでの反応を解析するため、リンパ球幼若化反応を用いて、Tーcell lineとTーcell cloneを作製する事を試み、アカムシユスリカ、セスジユスリカについてできたものを用いて、成虫、幼虫抗原に対する反応の差違、アカムシユスリカ成虫分画抗原に対する反応の差違を分析した。Bーcell epitopeとTーcell epitopeの関係について上記の成績から分析する事が可能になると期待している。 多糖体プルランにアレルゲンを結合させてIgE抗体産生を制禦する試みを行うべく、プルラン結合の条件などの基礎的検討を開始した。粗抗原では条件が複雑になるので上記分画抗原を応用することを考えている。
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