研究課題/領域番号 |
63870021
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
竹内 勤 慶応義塾大学, 医学部寄生虫学教室, 教授 (00051847)
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研究分担者 |
川又 健 慶応義塾大学, 医学部薬化研, 講師 (80051530)
堀 均 徳島大学, 工学部生物工学科, 助教授 (90119008)
稲山 誠一 慶応義塾大学, 医学部薬化研, 教授 (30051030)
奥沢 英一 慶応義塾大学, 医学部寄生虫学教室, 助手 (20177166)
小林 正規 慶応義塾大学, 医学部寄生虫学教室, 助手 (70112688)
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キーワード | 原虫性疾患 / シャーガス病 / ニトロイミダゾール / ミソニダゾール / 化学療法 |
研究概要 |
シャーガス病などの熱帯性原虫疾患の化学療法は現在満足すべき状態に立ち至っていない。従って、的確な抗原虫作用を有し、かつ副作用の少ない化合物を作成するのは急務と云える。更に、これらの疾患が存在する熱帯地方の開発途上国の経済的な現況を考えれば、可能な限り広範囲の抗原虫スペクトルを有するものの選択が要求される。安価な合成ルートを確立することも必要となる。これらの諸点に鑑み、本研究では新しい抗原虫剤の開発を特にシャーガス病を標的として企図した。 (1)、数十種に上るニトロイミダゾール誘導体、トリアゾール、テトラゾールなどのニトロ、又はサルフォキサイド置換誘導体を合成し、まずトリパノソーマ・クルジーとA204細胞の素を用いてスクリーニングを行った。その結果ミソニダゾールとミソニダジール誘導体であるKIH-821の二種の化合物に強い抗トリパノソーマ作用が備っていることを見出した。しかし、続いて実施したリーシュマニア、赤痢アメーバ、トリパノソーマ・ローデシエンゼ、ランブル鞭毛虫に対しては効果がなかった。 (2)、実験感染モデルを用いた治療実験ではKIH-821は毒性が出現し、実験的治療投与濃度で非感染コントロール群に体重増加不良、下痢、その他の副作用があった。一方、ミソニダゾールにはこのような副作用はなく、マウスは全例急性感染を耐過した。 (3)、ミソニダゾールの種々の位置の側鎖を改変し、抗原虫作用を検定しているが、上記二種以上のものはまだ合成できていない。 (4)、ミソニダゾールの新規合成法についても検討を開始しているが、まだ有望な方法は見出されていない。ミソニダゾールの作用機序については電顕的にまず検討した結果、細胞膜に著明な変化が現れるのが観察された。
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