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1988 年度 実績報告書

細胞内遊離カルシウム濃度の経時的モニタリング法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 63870031
研究種目

試験研究

研究機関広島大学

研究代表者

鬼頭 昭三  広島大学, 医学部, 教授 (00010140)

研究分担者 三好 理絵  広島大学, 医学部, 助手 (80209965)
郡山 達男  広島大学, 医学部附属病院, 助手 (80195693)
キーワード細胞内カルシウムイオン濃度 / fura-2 / 螢光測光 / 海馬培養神経細胞 / アセチルコリン / ソマトスタチン / ceruletide
研究概要

培養神経細胞を用い、単一細胞内カルシウムイオン濃度([Ca^<2+>]i)を測定する方法を確立した。indicatorとしてはfura-2を用い、倒立蛍光顕微鏡ービデオカメラ装置を組み合わせたシステムで螢光を測定した。カルシウムーEGTA bufferを用いたcaliburationにより、カルシウムイオン濃度が0〜1000nMの間で、カルシウム濃度と360nmと340nmの励起光を当てた際に得られる螢光強度の比は、直線関係にあることを認めた。[Ca^<2+>]i測定実験のために、胎生18日齢のラットから海馬を取り出し、dissociated cell cultureを行った。約2週間培養した後、細胞にfura-2AMを取り込ませ、37℃で灌流しながら[Ca^<2+>]iを測定した。種々の神経活性物質は灌流投与した。アセチルコリン(ACh)を投与すると[Ca^<2+>]iは上昇するが、これは全神経細胞の約半分で見られた。AChによる反応のパターンは細胞により異なっており、二相性のものと一相性のものがあった。細胞外液をCa^<2+>-freeにするとAChの反応は一部抑えられた。更に、神経ペプチドであるソマトスタチンとcholecystokininのアナログであるceruletideの[Ca^<2+>]iに対する影響を調べた。ソマトスタチンは、急峻な立ち上がりの一相性の[Ca^<2+>]i上昇を引き起こした。細胞外液からのカルシウム流入をブロックした状態では、ソマトスタチンの作用は完全に抑制された。また、N型カルシウムチャンネルブロッカーであるω-conotoxin GVIAではソマトスタチンの作用は完全に阻害されたが、L型チャンネルブロッカーであるnifedipineでは影響を受けなかった。更に、ソマトスタチンの[Ca^<2+>]i上昇作用はprotein kinase Cにより抑制性に調節されている可能性を示唆する成績を得た。一方、ceruletideは二相性[Ca^<2+>]i上昇をもたらし、ソマトスタチンとは異なる機序であることが想定される。今後、これら活性物質間の相関や詳細な機序を検討すると共に、海馬を領域別(CA1とCA3など)に分け培養し、反応パターンの違いを調べる予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shozo Kito: Proceedings of Uehara Memorial Foundation Symposium on Mechanism of Transmembran Signalling. (1989)

  • [文献書誌] Rie Miyoshi: Brain Research. (1989)

  • [文献書誌] Shozo Kito: Neuroreceptors and Signal Transduction. 236. 137-151 (1988)

  • [文献書誌] Rie Miyoshi: Res.Commun.Chem.Pathol.Pharmacol.62. 93-102 (1988)

  • [文献書誌] Shinobu Inagaki: Developmental Brain Research. 43. 235-248 (1988)

  • [文献書誌] Shoichi Shimada: Peptides. 9. 71-76 (1988)

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公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

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