研究課題/領域番号 |
63870034
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
近藤 哲理 東海大学, 医学部, 講師 (90147132)
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研究分担者 |
中村 正彦 東海大学, 医学部, 教授 (40096243)
倉田 隆 東海大学, 医学部, 助手 (00161737)
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キーワード | 筋電図 / 人工呼吸 / 制御 / ファイティング / 咳嗽 |
研究概要 |
研究の最初に健常人および患者を対象として、意識下で人工呼吸中の呼吸筋活動の測定を行った。この結果、各呼吸筋の相互関係、および人工呼吸器と被験者とのファイティグが人工呼吸器制御上に重要な問題であることを認識した。そこで、麻酔動物を用いて咳嗽を呼吸に対する外乱とみたてて呼吸と咳の位相関係、呼吸筋の相互関係、筋肉活動パターン等の解析を行った。この結果、咳嗽と自発呼吸には両中枢の相対的活動の高さに応じた位相の関係が存在することが示唆された。また、咳嗽時に呼息性肋間筋や横隔膜に呼気性の活動が出現することを認めた。この他に、麻酔下すなわち意識外の排便、いきみ、排尿などの動作と呼吸の関係が明らかとなった。これらの知見は本年4月に開催(仙台)の第29回胸部疾患学会総会、7月に開催(ヘルシンキ)の国際生理学会議で発表すると同時に現在論文を投稿中である。横隔膜電極は動作の安定した形の検討を行ったが、体動、呼吸運動、交流電源の影響を除去しきれないため、肋間筋・腹筋等での記録を対象にしてフィルターの効果を調べ、これらの筋では100ー200Hzが心電図交流雑音を除去しつつ筋電図を得るのに適当と判断した。最近、トロント大学で実験用に供給している食道電極の実物を見る機会があったので、これを参考にあらたな電極を開発の予定である。装置として既に保有している筋電図アンプは優秀な性能を持つが、自作の装置を患者に適用することに対する批判があるため、市販の装置を試用すべく計画の一部変更を考慮中である。制御のためのプログラムはC言語を用いて、パーソナルコンピューターに対して、4チャンネルのデータを同時に12.8kHzで300秒間入力可能な状態に至っており、信号入力に関する問題はほぼ解決された。この結果は本学工学部学生の卒業論文として残す予定である。
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