研究概要 |
〈研究目的〉FABPはすでにラット心筋にて精製可能であり、現在ヒト心筋にて精製中である。心筋FABPは他の臓器由来のFABPとはアミノ酸配列に相違があり、免疫学的にも特異性が見られる。また心筋細胞質FABPの分子量は14,000、形質膜FABPは60,000と分子量に大きな差があり、それぞれ免疫学的にも特異的である。これらの特異的抗体を用いれば急性心筋梗塞患者に応用することは不可能ではない。CPK・ミオシン軽鎖アイソザイム等は、細胞膜が完全破壊されなければ測定不可能であるが、細胞膜FABPは軽度の膜障害にても血中へ流出することが予想される。細胞膜FABPはCPK・ミオシンと比較すると分子量が小さく細胞膜FABP同様に軽度の膜障害にても血中へ流出すると考える。また測定法も簡便であるため容易に測定可能である。実験動物による成績より、心筋細胞障害を判定し、PTCA、PTCR等の冠動脈再建術を行ない、実際応用が可能と考えられる。 〈研究成果〉1.ラット心筋細胞を培養し、低酸素化にてインキュベーションし、細胞障害を作成すると、FABPが遊離してくることが判明した。 2.低酸素下に遊離するFABPはCa^<2+>拮抗薬にて、抑制された。
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