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1988 年度 実績報告書

急性心筋梗塞の初療としての血栓溶解療法の評価に耐える実験動物モデルの確立

研究課題

研究課題/領域番号 63870039
研究機関九州大学

研究代表者

中村 元臣  九州大学, 医学部, 教授 (60037322)

研究分担者 友池 仁暢  九州大学, 医学部, 講師 (90112333)
砂川 賢二  九州大学, 医学部, 助手 (50163043)
居石 克夫  九州大学, 医学部, 教授 (70108710)
金出 英夫  九州大学, 医学部, 教授 (80038851)
竹下 彰  九州大学, 医学部, 助教授 (30038814)
キーワード急性心筋梗塞 / 突然死 / 血栓溶解療法 / 冠動脈攣縮 / 遺伝性高脂血症家兎 / 組織プラスミノーゲンアクチベータ / 血栓性閉塞 / 冠動脈硬化
研究概要

目的:急性心筋梗塞症の発症早期に実施される血栓溶解療法の効果(梗塞巣の縮小、心機能の回復、延命効果)を適確に評価するにはヒトの病態に類似した実験動物モデルの確立が必要である。本研究では、(1)冠動脈攣縮と冠動脈閉塞あるいは心筋壊死との関連性、(2)遺伝性高脂血症家兎における心筋壊死巣の成立機転、(3)閉塞性血栓を溶解した場合の壊死巣縮小、心機能改善機序の解明を試みた。
結果:(1)ゲッチンゲン種ミニ豚にコレステロールとコール酸を含む合成飼料で飼育し、冠動脈内腹をバルーンカテーテルで剥離した後、3〜4か月目にX線を照射した。本法によって有意の器質的冠動脈硬化病変部に強い攣縮を誘発する事が出来た。セロトニンによる攣縮を繰り返すと粥腫内に出血が発生し、器質的冠狭窄が進展増悪し急性冠閉塞を生じ突然死した。強い冠動脈攣縮を生じた血管の内皮細胞には立ち上がり現象等の不可逆性変化、白血球の粘着が認められ、血栓形成との関連性が示唆された。(2)遺伝性高脂血症家兎の心筋虚血の発生を超小型テレメーターでモニターした。心臓を摘出後軟X線装置を用いて冠動脈の器質的狭窄度を評価した。75%以上の限局性狭窄は主に右冠動脈に認められた。心筋壊死巣と主幹部病変との関連性は乏しかった。(3)コッパーコイルを犬冠動脈前下行枝に留置し血栓形成による冠動脈閉塞を行った。tーPA(組織プラスミノーゲンアクチベータ)は90分、180分の閉塞性血栓を溶解し、心筋壊死巣を有意に縮小し、心機能を改善した。
考察:ヒトにおける急性心筋梗塞は冠動脈攣縮、器質的冠狭窄の進展、末梢循環障害が複雑に関与した病態と考えられる。本研究では冠動脈の器質的狭窄が急激に進展する動物モデルを作製し得た。別に犬に冠動脈血栓を作りtーPAの血栓溶解能を評価することが出来た。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Nakamura,M.: The FASEB Journal. 2(4). A390 (1988)

  • [文献書誌] Mohri,M.: Am Heart J. 117. 43-52 (1989)

  • [文献書誌] Tomoike,H.: Cardiovasc Res. 23. 31-39 (1989)

  • [文献書誌] Mohri,M.: Circ Res.

  • [文献書誌] Nagasawa,K.: Circ Res.

  • [文献書誌] Hisano,K.: J Pharmacol.Exp.Ther.

  • [文献書誌] Sadoshima,J.: "Voltagedependent anion-selective channels in cultured smooth muscle cells of the rat aorta." Comparative Viochemistry and Physiology, 61-63 (1989)

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公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

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