研究課題/領域番号 |
63870048
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田口 喜雄 東北大学, 医学部, 助教授 (70004885)
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研究分担者 |
熊野 勝文 リコー応用電子研究所, 技術開発課長
篠原 彰男 三鬼エンジニアリング, 常務
安井 信之 秋田県脳血管研究センター, 研究部長
黒川 良望 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80215087)
稲場 文男 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (90006213)
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キーワード | レ-ザ-血管吻合 / 半導体レ-ザ- / 蛍光スペクトル分析 / 光増感物質 / 動脈硬化 / アルゴン・レ-ザ- / 炭酸ガスレ-ザ- / マイクロサ-ジュリ- |
研究概要 |
汎用手術用顕微鏡OTMIー6S(カ-ルツァイス社製)に改良を加え、アルゴンレ-ザ-、炭酸ガスレ-ザ-を同光軸内に挿入することに成功した。さらにこの装置は当初目指した以下の条件を満たす。 (1)顕微鏡焦点とレ-ザ-焦点が一致する。(2)炭酸ガスレ-ザ-焦点とガイド光焦点がほぼ一致する。(3)顕微鏡性能、操作性に何等影響に与えない。 また開発過程で問題となった術者の目への影響を最小限にするため、レ-ザ-照射中は光路内にレ-ザ-吸収板を自動的に挿入するシャッタ-機構を加えることに成功した。現在この装置を用い動物実験で細小血管の吻合を進めているが操作性に優れ、ほぼ満足できるものとなった。 さらに昨年から装置の軽量化を目指し半導体レ-ザ-を用いた装置の開発を進めているが、レ-ザ-出力が未だ充分でなく満足のいく結果は得られていない。理論的には前述の装置開発のノウハウを利用することで実現可能で、高出力半導体レ-ザ-の開発により解決されると考える。これからの課題は、動物実験結果からレ-ザ-焦点の絞り込みが充分ではなくレ-ザ-熱の影響が広範に亙ることである。実験を重ねながら至適焦点径を設定し、光学的に問題を解決したい。この技術を発展させ、さらに焦点の絞り込みが可能になれば細胞内手術の有力な方法となるものと期待でき今後の研究課題としたい。また臨床では硬化動脈の吻合を要求されるため動脈硬化の質的量的診断を可能とすべく、動脈の蛍光スペクトル分析を行ない光増感物質の取り込み前後で測定したスペクトルを比較することにより硬化性病変部で色素特有の波長帯の蛍光増大を観察した。このことから質的診断の可能性を引き続き試みている。
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