研究課題/領域番号 |
63870051
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
谷川 允彦 福井医科大学, 医学部, 助教授 (00111956)
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研究分担者 |
北角 泰人 福井医科大学, 医学部, 助手 (40204870)
増田 靖彦 福井医科大学, 医学部, 助手 (80209452)
斉藤 等 福井医科大学, 医学部, 教授 (90079898)
村岡 隆介 福井医科大学, 医学部, 教授 (10026924)
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キーワード | 制癌剤感受性試験 / in vitro試験法 / Scintillation Assay / ヒト新鮮腫瘍 / 感受性判定可能率 / 臨床相関 |
研究概要 |
それぞれの癌患者にとって、ある抗癌剤による癌化学癌法がなされたときのその効果を予め推定出来ればその臨床寛解率の上昇と共に予後の改善が期待できる。加えて、効果の期待できない抗癌剤を併用薬剤から除くことが出来ればこれも癌化学療法の一つの問題である副作用面からみて大きな助けになる。制癌剤感受性試験法に関して、過去おおよそ50年間にわたって少なくとも9種類のin vitro試験法と、2種類のin vitro試験法が研究されてきたが、それぞれに特徴と弱点を持ち合わせており臨床反応との相関性は必ずしも満足の行く結果を示していなかった。そこで、代表研究者谷川允彦は腫瘍構成細胞群の中のいわゆるTumor Stem Cellとでも呼ぶべき一部の特異な細胞群に注目した感受性試験法であるClonogenic AssayとThymidine摂取率によるassayを組み合わせたScintillation Assay1982年に開発して、その臨床的有用性せ検討してきた。1985年11月より米国NCI新制癌剤スクリ-ニング系にClonogenic Assayに代わってしばらく採用されたことはその国際的評価を裏ずけていると言える。昭和63年度より2年間の科研費助成のもとに、福井医科大学附属病院および近郊の基幹病院(赤十字、済生会、県立病院)との連携を計ることにより多数の各種新鮮ヒト腫瘍の制癌剤感受性を特にScintillation Assayを用いて検討した。合計569新鮮腫瘍標本について制癌剤感受性試験を行い117標本(41%)で感受性判定が可能であった。また、52症例における77回の感受性判定結果と臨床反応との相関性は適応制癌剤の正診率は42%(14/33)であり、非感受性抗癌剤の予言性(真陰性率)は93%(41/44)であることが判明した。これらの成積は当初からの本研究の目的であったScintillation Assayの臨床的適用性に関する可能性と、現行の種々の感受性試験法一般に共通する問題点を明確にすることができた。
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