研究課題/領域番号 |
63870053
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
辻 隆之 東京医科学歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (00075764)
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研究分担者 |
須磨 幸蔵 東京女子医大, 第2病院, 教授 (00075186)
田村 俊世 東京医科学歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (10142259)
豊島 健 東京医科学歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (40014146)
戸川 達男 東京医科学歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (40013859)
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キーワード | 高圧液ー液型人工肺 / ECMO / 多機能型人工肺 / キャピラリ人工肺 / EVAホローファイバ / 抗血栓性材料 |
研究概要 |
本研究の今年度の概要は、ECMO専用人工肺の構造決定と試作、コンピュータによる装置のシステム化およびin vitro実験である。 1.ECMO専用人工肺の構造決定と試作 ECMO専用人工肺の材料を抗血栓性がすでにヒト血液透析において証明されているEVA(ethylene vinyl alcohol copolymer)膜に決定し、そのホローファイバ(内径200μm、長さ19cm)を使用した。構造は耐圧性の高い透明なエポキシケースにEVAホローファイバ7200本を束ね、両端をポリウレタンで固定してケース両端に血液コネクタを接続し、ケースの途中に内径8mmのガスキャリア液接続部2本を一体形成して設け、内筒形の構造とし、ガス交換に与る膜面積を0.8m^2とした。2気圧までの酸素ボンベからの加圧では、破裂やリークは1回も起こらなかった。 2.コンピュータによる装置のシステム化 本人工肺はガスキャリア液流路圧を血液流路圧より高く維持する必要があるが、EVA膜を介する差圧をダイヤルで前もってセットするとその差圧を維持するようにガスキャリア液流量をマグネティックギアポンプを自動制御することによって実現できるようなコンピュータを組み込んだシステムを開発し、それが早い応答が作動することを確認した。 3.in vitro実験 本人工肺のファイバ内外の差圧と、水移動についてその特性を検討したところ、差圧に依存して移動する水流量は決まった(0.97ml/min/10mmHg)。調圧弁を用い純酸素圧を制御し、質量流量器(mass flowmeter)でガス流量を制御した。高圧酸素で高度に酸素加した水で、窒素で除酸素化した水を本EVA人工肺でガス交換した。さらに生理食塩水と牛血を用い同様に検討した。いずれの場合も2気圧加圧まで可能で、酸素ガス輸送量は平圧時の本人工肺システムの運用に対し顕著に増加した。
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