研究分担者 |
須磨 幸蔵 東京女子医科大学, 第二病院, 教授 (00075186)
斉藤 浩一 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教務職員 (00205668)
田村 俊世 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (10142259)
豊島 健 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (40014146)
戸川 達男 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (40013859)
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研究概要 |
本研究は,運用が省力化された多機能型気液両相型人工肺による長期呼吸補助(ECMO)システムを開発することを目的とした. 最終年度である平成2年度においては,以下の点を行った. <1.高圧気液両相型人工肺への進展>___ー EVA膜は親水性であるために,ガスキャリア回路内にマスフロ-メ-タを使用し,高圧酸素ガスを吹気しても,超微小なマイクロポア(3nm)では表面張力がきわめて大きく,酸素ガスが血液側回路内に流入しないことが分かった.すなわち,本人工肺は,高圧酸素ガスでも高圧酸素キャリア液でも機能する気液両相型人工肺であることを明らかにした. <2.本人工肺の炭酸ガス輸送に関する研究>___ー 酸素ガス輸送は高圧化で著しく促進されることが明かとなっているが,炭酸ガス移動については,今年度に炭酸ガス濃度計を購入して研究した.その結果,高圧化によって増加するEVA膜を通過するバルクフロ-で,炭酸ガス移動はむしろ減少することがわかった.本液相型人工肺では炭酸バファを消費してアチド-シスを進行させるので,高圧化はむしろ好ましいと考えられた. <3.差圧自動制御装置の性能特性の検討>___ー EVAファイバ内外の差圧制御は,本ECMOシステムの運用にもっとも重要である.長時間の運用を必要とするECMOでは,その自動化が重要であるが,本差圧自動制御装置がよく機能することを証明した.
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