研究課題/領域番号 |
63870055
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
根来 真 名古屋大学, 医学部, 助手 (90115618)
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研究分担者 |
浅井 潔 ダウコーニング社, メディカル技術課, 課長
石口 恒男 名古屋大学, 医学部, 講師 (70115525)
宮地 茂 名古屋大学, 医学部, 医員
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キーワード | 実験的動脈瘤 / ラテックスバル-ン / シリコ-ンバル-ン / 血栓形成 / 血管内治療 / Hema |
研究概要 |
前年度にも報告したごとく、ひきつづき成犬を用いて総頚動脈に外頚静脈を吻合することにより実験的動脈瘤モデルを作成し本モデルにおいて当研究者らにより開発中のバル-ンカテ-テルを用い、動脈瘤の閉塞をX線透視下に行っている。 今回も前年度と同様に現在試作中のラテックス及びシリコ-ンバル-ンを用いて、同一犬の左右総頸動脈に作成した動脈瘤を血管内より閉塞し、両者の治療効果について、光顕,電顕を用いて組織学的検討を行いその比較を行った。また閉塞時にバル-ン内に充填する物質についても検討を行った。 この結果ではラテックスバル-ンでは動脈瘤の完全閉塞を生じやすく再破裂はないものの、親血管の閉塞も来しやすいこと、組織学的にはバル-ン周囲をとりまく繊維構造が厚く、破裂防止には充分であることが判明した。一方シリコ-ンバル-ンでは動脈瘤の不完全閉塞例が多くなり動脈瘤の破裂を生じやすいこと、しかし親血管の閉塞は生じないことまたバル-ン周囲をとりまく繊維組織はうすく、これが再破裂の原因と考えられた。電顕的にはラテックスバル-ンでは血管内皮細胞の再生がよくたしかめられた。 バル-ン充填物質として通常の造影剤とHemaとの比較を行ったが、Hemaは明らかに長期間存続し有用と考えられたが、使用時に操作上複雑な部分がある点から臨床使用時には留意が必要と考えられる。 これらの結果の一部は、第6回日本脳神経血管内手術研究会にて発表した。
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