研究課題/領域番号 |
63870056
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
神谷 瞭 北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (50014072)
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研究分担者 |
柴田 政廣 北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (60158954)
黒沢 秀樹 室蘭太平洋病院, 医師
安田 和則 北海道大学, 医学部, 助手 (20166507)
金田 清志 北海道大学, 医学部, 教授 (60000957)
山越 憲一 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (40014310)
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キーワード | 人工膝関節 / コンポーネントのゆるみ / 大腿脛骨関節 / 圧分布計測システム / コンピュータグラフィックス / 膝関節運動負荷装置 |
研究概要 |
人工膝関節置換手術後の合併症として人工関節コンポーネントのゆるみがある。本研究は、手術時に人工膝関節の大腿脛骨関節の面圧分布を計測することにより、良好な人工関節固定位置を決定し、これにより技術的問題に起因するコンポーネントのゆるみ防止をはかることを目的としている。すなわち、人工膝関節手術時の技術的支援システムの開発・実用化である。まず最初に、膝関節バイオメカニクスを理解する手段として、伸びトランスデューサを使用した膝関節運動に伴う屍体膝靱帯の長さ変化計測実験を行ない、靱帯の力学的機能を知る上で興味ある結果を得た。この知見に基づき初年度に行なわれた当研究の事項について以下に総括して示す。1.計測システムの開発と試用:(1)人工膝関節脛骨コンポーネントに12個の超小型圧センサ(φ=6mm:最大許容荷重5kg重)を埋め込み、面圧分布測定計を製作した。(2)マイクロコンピュータシステムによるデータ情報処理解析プログラムを開発し、得られた圧分布データを視覚的に容易に理解できるグラフィック表示法を実現した。(3)屍体膝にて実験を行ない、この面圧計の有用性を確認した。次いで、手術室において臨床的に試用し、ある程度信頼性あるデータの得られることが認められた。2.圧分布測定計の改良:圧センサを最大許容荷重100kg重までのセンサに替え、これにより日常生活で膝関節が経験する圧力に近似した圧分布測定が可能となった。3.膝関節運動負荷装置の開発:これまでの実験では、負荷の与え方は徒手的てあった。再現性ある負荷を膝関節に与えるため、新たに本装置の開発製作を行なった。これは足底力と膝関節運動(屈曲角度、運動速度)を連続的に制御する装置である。以上述べたように本研究の63年度の計画はほぼ達成され、次年度の研究予定へ速やかに移行可能な状態である。すなわち屍体膝実験による装置システムの確立、臨床応用への実用化等を計画している。
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