研究概要 |
1)生体材料用ガラス繊維棒状一方向複合材(CPSA複合材)のin vivo(成犬背筋内)とin vitro(擬似体液)の強度変化を比較したところ,コントロ-ルの曲げ強度(1050MPa)に対しin vivo(88日)では530MPaで曲げ強度保持率は約50%となり,in Vitroでは820MPaで約78%で,一定となった。in vivo,in Vitroの強度保持率の差は28%でほぼ一定であった。このことはin vitroで多くの試験が代用出来るので材料評価法の新しい知見である。 2)CPSA複合材のフックと板状複合材のプレ-トより構成する新しい『CPSA骨接合インプラント』を試作した。このインプラントの引張り破壊荷重は約520kgfで生理食塩水中(in vitro)に20日浸せきすると440kgfとなり約85%の強度保持率となった。 3)CPSA骨接合インプラントの埋入試験についてであるが,成犬大腿骨々幹部に人為的に骨折を作成し,板状複合材プレ-トおよびフックシステムを用いて整復固定術を施行した。埋入後3週以内に全例にフック又はプレ-トの析損が認められたが.この原因はフックシステムのゆるみによるものと考えられ,根本的にシステムの改良が必要となった。 4)CPSA複合材を成犬大腿骨々幹部に埋入して経時的に摘出し押出し法で骨固着強度を測定した結果、アルミナ,sus316Lに比較してやや大となり水酸化アパタイトに比較すると小であった。 5)CPSA複合材を生理食塩水および擬似体液に浸せきして各種の強度保持率を調べたところ,コントロ-ルに対して生理食塩水約80%,擬似体液は約70%とほぼ一定となった。このことよりin vitro試験の生理食塩水と擬似体液の差が明らかになった。
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