昨年度までの研究で鼻腔通気度のパ-セント表示が、パ-ソナルコンピュ-タと接続しても、通気度計内蔵のマイクロコンピュ-タを使用しても可能であり、かつ実用的であることが明らかになった。しかし、後者ではメモリ-容量に制限があるために、被検者のデ-タ-を記録しておけないという欠点があった。これを解決するために、デ-タタ-ミナルを接続し、メモリ-カ-ドに記録させることに成功した。64Kバイトのカ-ド使用で16回分のデ-タを記録し、いつでも通気度計に再現することが出来るし、メモリ-カ-ドのデ-タをパ-ソナルコンピュ-タ-に送信してフロッピ-に移すことも可能となった。つまり、主研究機関において、関連機関によって計測されたデ-タ-を総合して集中解析を行うことも可能となった。 昨年度までの解析機能では、標準曲線で被検者曲線を除した時のパ-セントを表示したために、理論的にはコンダクタンスを比較してのパ-セント表示という意味になる。鼻腔通気度は、鼻腔抵抗で表現する場合が従来多かったために、標準曲線を被検者曲線で除す機能もつけ加え、抵抗の比較でのパ-セント表示も出来るようにした。また、各側鼻腔の通気度の割合も示されるようにはなっていたが、直接標準曲線に対するパ-セントも計算できるようにした。これによって、鼻腔の通気性について知りたいと思う情報のすべてをパ-セントで表示出来るようになった。 病的鼻腔の通気性、手術前後の改善度の判定、保存的治療効果の判定、アレルギ-鼻誘発反応の判定など臨床面でも実用的であると共に、運動負荷、体位変換など鼻腔生理機能の研究にも便利な機種を完成することが出き、現在活用している。 フロッピ-によるデ-タ保存は、スペ-ク節減の意味もあり、鼻科検査領域でも今後発展する記録方法であり本機械の普及に努力したい。
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