調節・輻湊・瞳孔の両眼同時測定装置の試作

1989 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 63870071
• 研究機関: 東京医科歯科大学
• 研究代表者: 所 敬 東京医科歯科大学, 医学部眼科学教室, 教授 (20013865)
• 研究分担者: 藤枝 正直 (株)ニデック技術部開発二課, 技師 ; 山田 荒太 東京医科歯科大学, 医学部眼科学教室, 助手 (60174702) ; 吉野 幸夫 東京医科歯科大学, 医学部眼科学教室, 助手 (50158490) ; 奥山 文雄 東京医科歯科大学, 医学部眼科学教室, 助手 (70134690)
• キーワード: 調節 / 輻湊 / 瞳孔 / 両眼オプトメ-タ / 外部視標

研究概要

本年度は両眼同時測定装置の完成と最終調整を目標として研究を行った。
1.両眼オプトメ-タの最終調整と性能の確認
屈折力測定範囲と精度を各種の屈折力をもつ模型眼で測定した。結果は測定範囲は-10Dから+10D、水平経線上の精度は0.13D、垂直経線上では0.4Dであることがわかった。また、ステップ状の調節刺激を人工的に与えた動特性試験では、-5Dから+5Dのステップ状刺激に対するレスポンスは0.07秒であり、調節の動態を測定するに十分であることも確認された。これらの結果については、第94回日本眼科学会総会にて発表する予定である。
2.瞳孔計の取り付け
瞳孔計を取り付けてみたが、今回、試作した両眼オプトメ-タのモニタ用TVカメラは従来のTVカメラと機種が違うため、測定が正常に行えなかった。その原因として電気系の電圧レベルが考えられ、現在、電気系を調整している。また、光源に新規に収束性が良く十分な光量でコントラストのよい画像を得るため、半導体レ-ザを検討している。
3.輻湊の測定と補正装置の作製
瞳孔と角膜上の第1プルキン工像との相対関係から求める方法による輻湊測定装置について検討したが、技術的な問題から作製には至らなかった。そこで、現在、調節部を回転させ、回転角度を外部に電気信号で取り出す機構を製作中である。この機構の完成後に自動的に輻湊に追従する装置を再び検討・作製する計画に変更した。
4.外部視標呈示装置(現有)のソフトウェア改良
現有の外部視標呈示装置を両眼同時測定装置に利用するため、現有のソフトウェアを検討したが、若干の変更だけで転用できることが分かった。

研究成果

• [文献書誌] 百野伊恵,奥山文雄,所敬,秋澤尉子: "乱視眼の調節" 日本眼光学学会誌. 10. 189-194 (1989)
• [文献書誌] 奥山文雄,所敬,永山雅人,八名和夫,鯉江和俊,藤枝正直: "調節変動の解析プログラム" 日本眼光学学会誌. 10. 195-200 (1989)
• [文献書誌] 百野伊恵,奥山文雄,所敬,秋澤尉子: "屈折異常眼の調節-乱視眼における視標の影響-" 日本眼化学会雑誌. 94. (1990)
• [文献書誌] 上川床総一郎,奥山文雄,所敬: "視標の色と調節について" 日本眼光学学会誌. 11.
• [文献書誌] F.Okuyama,T.Tokoro,M.Fujieda: "Eye-tracking infrared Optometer" Ophthalmic and physiological Optics.