研究分担者 |
藤枝 正直 (株)ニデック, 技術部開発二課, 技師
百野 伊恵 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (70218866)
吉野 幸夫 東京医学歯科大学, 医学部, 講師 (50158490)
奥山 文雄 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (70134690)
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研究概要 |
我々は,両眼視で自然視に近い状態で,人眼の両眼の調節・〓湊・瞳孔を同時に連続的に測定する装置を試作した。また,この装置の基礎的な検討と臨床応用を行ない,研究成果がでたので報告する。 1 装置の試作 (1)小型赤外線オプトメ-タ-調節測定のために,光学系を小型化した2台のCompbell型赤外線オプトメ-タ-により両眼の調節を同時に測定できる機構とした。また,両眼視で自然視に近い状態で測定するために被験者の眼前に取り付けた赤外線ダイクロイックミラ-を通して実際の視標を見る状態で測定する。さらに,各オプトメ-タ-の光学部を左右眼の眼球回旋点の周りに回転させることにより,〓湊時にも調節の測定ができる。性能は測定範囲はー10D〜+10D,測定精度は0.13D,ノイズは0.05D程度であった。 (2)〓湊の検出:〓湊角は,各オプトメ-タ-光学部を固定している回転台の回転角度を外部に電圧として出力,記録することにより測定する。 (3)瞳孔計:オプトメ-タ-の前眼部モニタ-用TVカメラの映像信号を利用して,水平,垂直瞳孔径と瞳孔面積を求めることができる。 2 両眼の調節・〓湊・瞳孔の同時測定 (1)正視眼:約200luxの室内照度下で視標を被験者の眼前の正中線上を眼前2mから10cmまで定屈折0.25D/secで移動させ,両眼の調節応答眼位・瞳孔径を同時に連続的に記録することができた。 (2)不同視眼:左右差が1.5D以上近視性不同視眼について,視標を定屈折(0.25D/sec)で2mから10cmまで移動させ,両眼の調節を同時に記録,正視眼と比較した。結果は,左右眼の調節量はほぼ等量であるが,単位調節刺激当りの応答量は正視と比べ少ない傾向が見られた。
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