研究課題/領域番号 |
63870074
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
井上 昌幸 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (10013872)
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研究分担者 |
斉藤 秀一 アプコ(株), 研究開発部, 担当
松井 裕子 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (20143604)
田畑 恒雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (20013849)
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キーワード | 歯科用金属 / 臨床試験 / EPMA / 自動分析 |
研究概要 |
歯科用金属が具備すべき諸条件の内、特に重要と思われる生物学的要件と、耐蝕性に代表される科学的要件に対する試験法の評価基準設定に必要な資料を得るために、昭和60年頃より基礎的試験、すなわち浸漬試験、動物体内埋入試験を行った金属および、口腔内より撤去した歯冠修復物の表面性状や成分組成の変化を、EPMA(X線マイクロアナライザ-)により観察、測定してきた。その結果、基礎的試験や、長期の口腔内使用を経た歯科用金属の微細な変化の概要が明らかになりつつある。現在はさらに一歩進めて、規格化した各種金属材料による,歯冠修復物を口腔内に仮着し、その表面性状や成分組成の変化をEPMA分析により経時的に追求する臨床試験を行っている。それには、1)測定資料が多いので、できる限り能率良く短時間で分析可能であり、2)試料の観察、測定は、同一微小部分に対して経時的に繰り返し行い、試験前後の変化を比較するので、測定部位が正確に再現できなければならない。この点、従来のEPMAは能率が悪く、かつ定位の正確さを欠く憾みがあった。そこでこれらの点を改善し、観察、測定の能率と精度の向上を図るため、昨年度は昭和61年度の科学研究費補助金で購入した微小部定量分析装置に専用コンピュ-タ等の付属装置を増設したシステムの開発を進めてきた。その結果試料の多数の分析面の位置を座標記憶装置により順次コンピュ-タに入力し、これを予めプログラミングされたソフトによりEPMAのステ-ジ駆動ユニットと連動させ、任意の分析面について自動定量分析するシステムの開発に成功した。本年度は、更に光エンコ-ダ、直流モ-タ及びギヤ駆動のバックラッシュを除くソフトの開発により一層の精度向上に成功した。今後は、本システムを実際に使用し、その性能を検定する予定である。
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