研究課題/領域番号 |
63870076
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
川添 堯彬 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (50076022)
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研究分担者 |
楠本 哲次 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (70186394)
大塚 潔 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (30160542)
末瀬 一彦 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (20140212)
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キーワード | キャスタブルセラミックス / 適合精度 / 応力解析 / 接着剤レジン / 食品テクスチャ- / 臨床試験 |
研究概要 |
1、リン酸カルシウム系結晶化ガラス・クラウンの強度に関する検討:臨床形態のクラウンについて辺縁部の厚みの変化および支台歯との一体化の有無と破折強度の関係について検討した。その結果、軟性セメントで装着したクラウンでは支台金型との間にすべりを生じ破折しやすく、その強度はショルダ-幅径の増加にしたがつて増大した。また、接着性レジンセメントで装着したクラウンでは破折強度が著しく増大し、支台形態間には大差はなかった。2、結晶化ガラス・クラウンの力学的挙動に関する検討:荷重下における結晶化ガラス・クラウン、支台歯および合着セメント層の力学的挙動を把握するために有限要素法による2次元応力解折に行った。その結果、垂直荷重より水平荷重の方がクラウン各部における変位量、応力ともに増大し、特にクラウン最外層の頬側歯頚部、クラウン内層の合着セメント層に接する部位で応力は大きくなった。3、結晶化ガラスの接着性セメントに対する接着強さに関する検討:結晶化ガラスの表面処理条件の影響を調べるために接着性レジンセメントおよび支台築造材料を用いて、引っ張り試験ならびに圧縮剪断試験を行った。その結果、シランカップリング剤処理、プライマ-処理の効果が認められ,サ-マルサイクリングによって合金およびコンポジツトレジンとの接着強さは著しく減少した。4、結晶化ガラスの食品に対する粘着性に関する検討:咀嚼中に感じる食品の物理的性質を定量的に表現するテクスチャ-について検討した結果、結晶化ガラスは他の歯冠材料に比べ粘着性および付着性が有意に減少した。5、結晶化ガラス・クラウンの臨床試験に関する検討:現在までに150症例以上のクラウンを口腟内に装着し、合着後に破折した例はなく、歯肉炎やクラウンの着色、咬耗なども認められず、審美性についてもかなり改善された。
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