研究課題/領域番号 |
63870079
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
塩田 重利 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (70041267)
|
研究分担者 |
橋本 賢二 浜松医科大学, 教授 (60094166)
浜中 人士 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (10013955)
吉増 秀實 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70137933)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1990
|
キーワード | NiーTi合金 / 形状記憶効果 / 変態点 / 熱処理 / 引張試験 / 圧迫接合副子 |
研究概要 |
NiーTi合金のもつ形状記憶と超弾性という性質を利用した新しい組識内副子を開発するための基礎研究として、顎口腔領域における治療器具としての組識内副子の開発ならびに機械的性質の検討、および組識内副子の臨床応用における安全性の検討を行った。 その結果、1)合金組成および熱処理条件については、Niー49.49Ti合金、Niー49.26Ti合金ともに熱処理により変態点が変化し、500^゚C、30分の熱処理が、逆変態開始温度および同終了温度からみて臨床に応用する上で適当と考えられた。2)熱処理温度が500^゚Cのもののほうが、440^゚Cのものよりも、同一の変形を与えるのに要する荷重が少なく、形状回復量もやや多く、良好な機械的性質を示した。3)形態の違いによる機械的性質の差については、4穴ミニプレ-ト(レギュラ-)、同(ロング)、5穴ミニプレ-ト(レギュラ-)を比較すると、形状回復量で4穴ミニプレ-ト(ロング)と5穴ミニプレ-ト(レギュラ-)が優れていた。この両者の比較では、形状回復効果発現温度の点で5穴のものが臨床応用に適していた。4)組成の違いについては、形状回復量ではNiー49.26Ti合金がわずかに優れ、形状回復時の引久力ではNiー49.49Ti合金が優れていたが、形状回復効果の発現する温度からNiー49.49Ti合金のほうがわずかに有利であった。5)既製の圧迫接合副子との比較では、骨の接合力に相当する牽引力はほぼ同等であるが、骨の移動量に相当する形状回復量が半分程度であり、形状回復量を増加させることが今後の課題であると考えられた。6)細胞培養法による実験結果からは、NiーTi合金は細胞付着性および増殖速度が比較的よく、生体適合性がすぐれていると考えられた。7)ラットを用いた動物実験結果からは、金属の溶出は微量認められたものの、組識反応や腫瘍形成の程度はバイタリウムとほぼ同様であり、臨床応用可能な材料と考えられた。
|