研究課題/領域番号 |
63870086
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
古賀 敏比古 国立予防衛生研究所, 歯科衛生部, 部長 (10037541)
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研究分担者 |
太田 博崇 ライオン株式会社, 第一応用研究所, 研究員
高橋 一郎 国立予防衛生研究所, 歯科衛生部, 研究員 (20206791)
岡橋 暢夫 国立予防衛生研究所, 歯科衛生部, 研究員 (40150180)
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キーワード | DNA組換え / 乳酸菌 / 齲蝕 / ワクチン |
研究概要 |
血清型c Streptococcus mutansの培養上清から、硫安沈殿、イオンクロマトグラフィー、ゲル濾過などの方法で高分子量タンパク抗原を精製した。精製タンパク質抗原の分子量は、SDSーポリアクリルアミド電気泳動法により約19万であることが明らかになった。ついで、この精製タンパク抗原で免疫したマウスのリンパ球とミエローマ細胞を融合後、クローン化して、タンパク抗原を認識する5種類のモノクローナル抗体を作製した。 上記のタンパク抗原をコードする遺伝子をクローニングするために、S.mutansの染色体DNAを制限酵素PstIで切断し、プラスミドベクターpUC118に連結した。得られた組換え体プラスミドにより大腸菌を形質転換し、抗タンパク抗原モノクローナル抗体と反応するクローンを選び出した。このなかから、完全なタンパク抗原構造遺伝子を含むプラスミドをさがし出し、プラスミドpPC41と命名した。pPC41は7.5kbのS.mutans DNAを含んでいた。次に、このクローン化したタンパク抗原遺伝子の塩基配列をSangerのジデオキシ法で行った。その結果、タンパク抗原をコードする遺伝子は4695塩基対からなることがわかった。これは1565個のアミノ酸からなる170、703のポリペプチドに対応する。塩基配列から推定されるアミノ酸の疎水性およびS.mutans由来の精製タンパク抗原のN末端アミノ酸分析の結果から、N末端の38個のアミノ酸はシグナルペプチドであると考えられた。さらに、タンパク抗原の内部には2ケ所のアミノ酸配列の繰り返し構造領域があった。 現在、クローン化したタンパク抗原遺伝子をシャトルベクターと連結し、乳酸菌に導入中である。
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