研究概要 |
リード化合物であるオキセタノシン(A__〜)のデアザ同族体(Cーヌクレオシド)および関連化合物の一般合成法を確立し、抗ウイルス作用を持つ誘導体を見出すことを目的に、以下の検討を行った。 1)ピロロピリミジン類の新合成法 5ーamino-6-methyl-4-pyrimidinoneをDMF-POCl_3と処理し一挙にピロロ〔3,2ーd〕ピリミジンのホルミル体(B__〜)を得る方法を見出した。B__〜は常法により、容易に目的物合成に必要なシアノメチル体(C__〜)に変換可能である。また、B__〜,C__〜とは縮環様式の異なるピロロ〔2,3ーd〕ピリミジン(D__〜)について、新らしい型の一般合成法を確立した。 2)Cーヌクレオシド合成の試み まず、C__〜の活性メチレン基を足場にして4員環糖を結合することを企図し、各種の予備実験を経た上で、C__〜とエポキシド(E__〜)との反応を実施したが、好結果を得るに至らなかった。B__〜あるいはC__〜への糖部分の導入が今後の課題である。 3)ウラシルを母核とするCーヌクレオシドの合成 4,6ーdialkoxy-5-bromopyrimiclineから出発し、6工程で4員環糖をもつウラシル5位Cーヌクレオシド(E__〜)を合成した。現在、保護基の除去を検討中である。 (結び)リード化合物の抗ウイルス作用が4員環糖に基づくことは明らかなので、今後は糖鎖導入の良法を開拓することに全力を挙げると共に、オキセタン環に替えた誘導体の合成と生物活性も比較検討する必要がある。
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