研究概要 |
1.神聖草のプロテインキナ-ゼ阻害活性成分 蛋白質リン酸化酵素Cキナ-ゼに対して阻害活性を示した韓国民間薬神聖草のアセトン-水(1:1)抽出エキスを更にCH_2Cl_2、AcOEt、n-BuOHで順次抽出して得られたAcOEt画分およびn-BuOH画分に阻害活性が認められた。このうち、n-BuOH画分より数種の化合物を得、各種スペクトルデ-タ(UV、IR、FAB-MS、^1H-NMR、^<13>C-NMR、^1H-^1H COSY、^1H-^<13>C COSY、HMBC、NOE差スペクトル)を解析することによって(-)-epicatechin-3-0-β-D-allopyranoside,coumaric acid-4-0-β-D-glucopyranoside,caffeic acid-4-0-β-D-glucopyranoside,(-)-epicatechin-5-0-β-D-glucopyranosideと構造を決定した。現在、これらの化合物のプロテインキナ-ゼC阻害活性について検討中である。 2.ネジバナの細胞増殖阻害活性成分 HeLa S_3細胞に対して増殖阻害活性を示したネジバナのエ-テルエキスから、8種の新ジヒドロフェナンスレン型化合物を単離し、構造を決定した。これらの中で比較的含量の高かった3種について細胞増殖阻害活性を検討したが、極く弱い活性が認められただけであった。 3.ウッドホルディア・フルティコ-ザのトポイツメラ-ゼII阻害活性化合物は精製困難な化合物であったが、IatrobeadsカラムクロマトおよびDiaior Hp-20sephadex LH-20を組み合わせたカラムクロマトを行って繰り返し分離、精製を行い新加水分解型タンニン、woodfruticosinと命名した活性物質を見い出し、2次元NMRのHMQCおよびHMBC法と適用してその構造を決定した。woodfruticosinはトポイソメラ-ゼII阻害活性をもつタンニンとしては最初の例であり、現在制癌剤として知られているetoposideやadriamycinよりもin vitroでは強い阻害活性が認められ、また、構造的にも珍しい環状の2量体タンニンで興味深い化合物である。
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