研究課題/領域番号 |
63870095
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大沢 利昭 東京大学, 薬学部, 教授 (40012603)
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研究分担者 |
樋口 昌宏 電気化学, 中央研究所, 研究員
今井 康之 東京大学, 薬学部, 助手 (80160034)
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キーワード | リンホトキシン / イムノリポゾーム / インターフェロンーσ |
研究概要 |
1.用いるリポゾームの組成について、その局所での安定性などの点から、ホスファチジルコリン:ホスファチジルエタノールアミンーコレステロールの比を、9:1:10にしたものが最も適当であることが判明した。このホスファチジルエタールアミンにPDP基を導入し、われわれが作成したヒトメラノーマ細胞株A375に対するモノクローナル抗体にSPDP基を導入した。こうして、ホスファチジルエタノールアミンに抗A375抗体を結合させ、ホスファチジルコリン、コレステロールを上記の比に混じ、ヒト組換えリンホトキシンを封入させたイムノリポゾームを作成することに成功した。 2.ヌードマウス背部皮下にA375細胞10^6を移植後、2日目から週2回5×10^2unit、あるいは5×10^4unitのヒト組換えリンホトキシンを封入したイムノリポゾームを投与した。以後経時的に腫瘍面積を計測し、無投与コントロール、未封入イムノリポゾームコントロール、5×10^2unit、あるいは5×10^4unitのヒト組換えリンニホトキシンをイムノリポゾームに封入することなく投与したコントロール群と比較した。その結果、5×10^2unitの組換えリンホトキシンを封入したイムノリポゾーム投与群では、有意に腫瘍増殖を抑制した。この実験の結果から、ヒト組換えリンホトキシンの抗腫瘍性を発揮させる上で、イムノリポゾームへの封入は、単なる静脈内投与にくらべ、著明に有効であり、あり用いるリンホトキシン量には至過量が存在することが明らかとなった。 3.現在、ヒト組換えリンホトキシンと、ヒト組換えインターフェロンσとを組み合わせてイムノリポゾームに封入した糸について、詳細に抗腫瘍効果を検討している。 4.抗A375抗体のような抗腫瘍抗体でなく、抗トランスフェリンレセプター抗体などの使用についても検討している。
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