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1988 年度 実績報告書

運動疾患モデルの作製とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 63870096
研究機関東京大学

研究代表者

福田 英臣  東京大学, 薬学部, 教授 (50080172)

研究分担者 工藤 佳久  三菱化成生命科学研究所, 室長
岡 淳一郎  東京大学, 薬学部, 助手 (40134613)
小野 秀樹  東京大学, 薬学部, 助教授 (00080200)
キーワード固縮 / 痙性麻痺 / デオキシグルコース / チザニジン / ジアゼパム / ノルアドレナリン
研究概要

Sherringtonは、ネコの上丘ー下丘間を切断することにより四肢に筋固縮の起こることを見出した(1898)。この上丘ー下丘間切断脳固縮は、運動系の生理学的研究に利用され、また、痙性麻痺の病態モデルとして中枢性筋弛緩薬の評価に用いられてきた。我々は同モデルをラットにおいて作製してきたが、成功率の低い従来の方法の代わりに、上丘ー下丘間切断に相当する部位を高周波電流で破壊することにより、再現性よく強い除脳固縮を得る方法を開発した。本研究では、作製に成功した固縮の脳内メカニズムを探ろうとした。1.noradrenaline α_1ーアンタゴニストは脊髄クモ膜下腔内投与により固縮を抑制し、α_2ーアゴニストは第4脳室内投与により固縮を抑制した。脊髄へのα_1ーアゴニストの投与により固縮は増大した。さらに、noradrenaline神経を破壊するb-hydroxy-dopamineの2週間前の大槽内投与により、固縮は減弱し、α_1ーアンタゴニストの作用が消失した。これらの結果より、下行性noradrenaline神経の活動亢進が固縮発現に寄与していることを明らかにした。2.2-deoxyglucose法を用いて、固縮時に活動が亢進している脳部位を検索した。固縮ラットに^<14>C-deoxyglucoseを投与し、経時的に採血した後、脳切片をX線フィルム上に載せ、露光させ、オートラジオグラムを得た。オートラジオグラムを画像解析し、グルコース利用率を計算した。固縮ラットにおいては、小脳核と前庭核のグルコース利用率が著明に上昇していた。tizanidine diazepamなど脳幹に働いて固縮を抑制する薬物は、これらの核におけるグルコース利用率の上昇を抑制した。これらの結果から小脳核および前庭核の活動増加が固縮発現に関与することが明らかとなった。

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公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

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