研究課題/領域番号 |
63870097
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
古谷 力 北里大学, 薬学部, 教授 (10050345)
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研究分担者 |
川口 基一郎 北里大学, 薬学部, 助手 (10146334)
吉川 孝文 北里大学, 薬学部, 助教授 (80050540)
庄野 邦彦 東京大学, 教養学部, 教授 (60050457)
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キーワード | 薬用人参 / オタネニンジン / アグロバクテリウム / Riプラスミド / サポニン生産 / 毛状根 / 形質転換 / バイオリアクタ- |
研究概要 |
薬用人参毛状根は高いサポニン生産能を示したので、バイオリアクタ-での連続生産を試みた。毛状根培養ではしばしば生産された有用物質を培地中に防出することが報告されており、これがバイオリアクタ-による連続生産に有効であり、また必要不可欠であるとされている。しかし、薬用人参の毛状根では培養細胞と同様に、生産されたサポニンはそのほとんどが細胞内に蓄積されていた。そこで、溶媒による膜透過処理により細胞内に蓄積されているサポニンを溶出させ、連続生産させることを試みた。 nーブタノ-ル、クロロホルム、nーヘキサン、DMSO(ジメチルスルホキシド)など植物細胞に比較的害が少ないとされている種々の溶媒による膜透過処理を行った結果、DMSOが薬用人参細胞、および根に対して害が少なく、なおかつ、優れた溶出効果があることが明らかとなった。そこで、DMSOを用いて、溶出条件を検討した。 薬用人参カルス、植物ホルモンなどの培養条件の調節で分離された培養根、および毛状根を別々にフラスコで培養し、3週間後に0〜15%のDMSOで1時間処理し、処理液を集めた。処理液はDiaionHPー20カラムに流し有機化合物を吸着し、十分に水洗した後、メタノ-ルで溶出し、サポニンに定量を行った。一方、処理したカルスや各組織を検定した。その結果、カルスはDMSO濃度に比例してサポニンを効率的に溶出したが、5%DMSO濃度で成長は50%程度の阻害を受けた。それに対して、培養根や毛状根はカルスとは異なり、5%ではほとんど阻害は受けなかった。しかし、培養根は10%処理により全く死滅してしまい、しかも溶出効果もほとんで認められなかった。ところが、毛状根においては10%DMSO処理によってもほとんど認められなかった。ところが、毛状根においては10%DMSO処理によってもほとんど成長阻害は受けず、優れた溶出効果が認められた。
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