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1988 年度 実績報告書

放射線生物学的修飾物質の新規開発と実用化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63870098
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

稲山 誠一  慶応義塾大学, 医学部, 教授 (30051030)

研究分担者 伊東 久夫  慶応義塾大学, 医学部, 講師 (20095574)
柴田 徹一  慶応義塾大学, 医学部, 講師 (70051513)
永沢 秀子  慶応義塾大学, 医学部, 助手 (90207994)
キーワードHypoxic cell / Radiosensitizer / KIH-802 / Hydroxamic acid / 2-Nitroimidazole / Glutatione depletion / Pharmacokinetics / Misonidazole
研究概要

分子軌道(LUMO)計算を用いた親電子性化合物の設計に基づき、各種2ーニトロイミダゾール誘導体を合成し、そのin vitro及びvivo活性試験を実施した。特に、アセトヒドロキサム酸を側鎖として有するKIH-802は、E.coli B/r株による一次スクリーニング及びEMT6細胞を用いたin vitro活性試験に於て高い放射線増感率を示したので、更に詳細にin vivo試験、体内分布などについて検討した結果を以下に示す。
1.アセトヒドロキサム酸誘導体としてKIH-801、KIN-811並びにアセタルドオキシム誘導体としてKIH-821、823及び824を設計し、短工程かつ高収率で合成の後、前記同様一次スクリーニングの結果、何れもミソニダゾール(MISO)と同等以上の活性を有することが判明した。
2.EMT6/Ku細胞によるin vitro活性試験の結果、それぞれの増感率は1.99(KIH-801)、1.99(KIH-802)、1.77(KIN-811)、2.10(KIN-821)、2.36(KIN-823)、2.11(KIN-824)及び1.75(MISO)であり、KIN-811以外はすべてMISOより高い値を示した。
3.ICR/nunu又はBALB/c/nunuマウスを用いてKIH-802のKB細胞に対する放射線増感効果のin vivo検定を行ったところ、KIH-802はMISOよりも持続性効果を有する優れた増感作用を示した。
4.BALB/cマウスに移植したMeth A細胞によるKIH-802のin vivo活性試験の結果、増感率は1.58(0.11mg/g・bw)、2.03(0.33)であり、MISO 2.09(0.33)とほぼ同等の値を示した。
5.KIH-802の脳、腫瘍内分布を調べたところ、脳移行率が非常に大きいMISOと異なり、その脳内分布は極めて少ないことが判った。
6.ラット単離肝細胞を用いてグルタチオン(GSH)レベルを測定したところKIH-802は低酸素条件下MISOと同様に、GSHレベルを低下させた。以上より放射線増感剤としてKIH-802が有望な事を確立した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kenichi Takanuki: Biochemistry International. 17. 155-162 (1988)

  • [文献書誌] Masahiro Tanaka: Nippon Acta Radiologica. 48. 1249-1260 (1988)

  • [文献書誌] Haruhiko Koike: Biophys.Biochem.Res.Commn.155. 1066-1074 (1988)

  • [文献書誌] Hideko Nagasawa: Proceeding of the 3rd Japan-China bilateral symposium on radiosensitization. (1989)

  • [文献書誌] Hitoshi Hori: Int'l.J.Radiation Oncology Biol.Phys.16. (1989)

  • [文献書誌] Kazuo Sakaizumi: 第47回日本癌学会総会記事. 651 (1988)

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公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

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