研究課題/領域番号 |
63870101
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
馬場 一憲 東京大学, 医学部(医), 講師 (30181035)
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研究分担者 |
鎮西 恒雄 東京大学先端科学技術研究センター, 助手 (20197643)
藤正 巌 東京大学先端科学技術研究センター, 教授 (30010028)
古川 俊之 国立大阪病院, 院長 (20101082)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | 3次元画像 / 心外膜電位推定 / 心電図逆問題 / コンピュ-タグラフィックス / 超音波画像 |
研究概要 |
体表面電位分布から推定した心外膜電位を、コンピュ-タグラフィックスの手法を用いて3次元表示するシステムを開発した。先ず、体表面電位分布からの心外膜電位推定(心電図逆問題解)の精度向上を試みた。その結果、心筋障害部位の推定に関しては実用上十分な精度を得ることができた。次に、解剖実習用の心臓モデルの形状デ-タを基に、心臓の3次元モデルをエンジニアリング・ワ-クステ-ション内に作成した。3次元モデルは、臨床医の解剖学的知識に適合するように、陰影付け、カラ-化を施し、観察方向は自由に設定できるようにした。そして、心電図逆問題解により得られた一心拍分の心外膜表面電位のデ-タを心臓3次元モデル上にス-パ-インポ-ズした。これを順次表示することにより心臓の中で電気的興奮がどのように伝わっていくか、すなわち、空間的表示だけでなく、時系列情報をも組み入れた3次元表示が可能となった。 以上の研究結果から、このシステムが心臓内興奮伝達に関する情報を臨床医の解剖学的知識に適合した形で供給し、診断支援を行ないうることを証明した。 さらに、医用3次元画像の、より広範な分野での応用と有用性を検討するため、胎児超音波像、乳腺腫瘍超音波像について3次元構築と表示を行なった。2次元情報で与えられる超音波断層像と比べ、より写実的な3次元像を表示することにより、検査対象物の3次元構造、空間的広がりなどの理解が格段に向上した。さらに、検査上の見落としの危険性の減少や、胎児の顔の表情など従来の断層像からは想像もできないような新しい情報を得ることが可能であることなど、医療における3次元画像の有用性が示された。
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