研究課題
目的を重症糖尿病ケトアシドーシス状態の監視に設定した。この病態を把握するデータベースとして、血中グルコース値の判定には、病歴、病状、徴候に関する10項目の要素が問診情報として初期設定がなされる必要があることが示された。病態診断論理にもとづいて項目選択するプログラムは、枝分かれ理論を採用した。グルコース測定に続いて、電解質(Na,K)血液pH、重炭酸イオン値の判定を経て血中ケトン体、乳酸測定をおこなうのが最も合理的とされたが、本研究ではグルコース、乳酸およびケトン体測定用ユニットの開発をおこなった。装置は血液サンプリング制御ユニット、生体成分計測ユニットおよび制御ユニットからなる。グルコース測定用電極及び乳酸測定用電極は当該物質の血中内濃度を検出するにたる感度を示したので、両者を組合せそれぞれの電極から発信される信号をチャネル切り替え装置を介してポテンシオメータへ導き、この結果を項目制御部で判定した。血液を試料とした連続計測実験で項目切り替えが可能なことを確かめえた。試料採取において時間差計測を短時間内に完了させる機構は検討中であるが、所期の目標には到達していない。血中ケトン体特にヒドロキシ酪酸濃度の計測用反応器はカラム型の固定化酵素リアクターを試作した。生体中のヒドロキシ酪酸濃度範囲を検出しえるが、血液中の測定防害因子の除去が課題として残った。固定化NADH酸化酵素リアクターの導入によって高感度計測の可能性が明らかにされた。今後実用化の検討を行う。
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