研究課題
試験研究
レーザー同位体分離過程は、本来一光子で一原子の同位体を分離できるため非常に効率的である。総合効率はレーザー効率と蒸気発生効率によって決まる。今日までの研究では、抵抗加熱あるいは電子ビーム加熱によりウラン蒸気を生成している。これをレーザーで行うと、分離用レーザーと併用することにより蒸気発生電力が不要となる、加熱部所の遠隔操作が可能となるなどの利点がある。本研究によりレーザーによる蒸気生成効率が評価され、その可能性を示した。1.蒸気発生用ターゲットチャンバーを製作した。これには蒸気発生用レーザー集光照射装置、発生蒸気量モニター計、イオンコレクター等が装備されている。2.ウランに比較的物性定数の類しまたそれ自身も重要な原子であるガドリニウムにArFレーザーを照射することにより発生する蒸気量の照射強度依存性を実験的に測定した。3.その結果、蒸気量はレーザー強度の3/4乗に比例し、10°W/cm^2で2×10^<17>atoms/pulse.cm^2が得られた。4.蒸気空間分布はCOS^5Qの型になることが実験的に確められた。5.これらの結果をもとに、レーザーの繰返しをあげた場合の蒸発量を評価した場合、5×10^<19>atoms/sec.cm^2まではレーザー法が有効であることになった。今後、実験的検証が必要である。
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