研究課題
蒸発源に電子銃を用いたウランの同位体分離システムの電力を簡単に評価した結果、選択電離用レ-ザ-伝搬長10mの場合、電子銃電力は全電力の99%以上を占める。レ-ザ-同位体分離(原子法)用原子蒸気生成の一手法として、レ-ザ-加熱法の可能性を探るべく、レ-ザ-蒸気の基礎実験を行い、生成蒸気に関する基本的な諸特性を得た。これを基に電子ビ-ム加熱法と比較し、本法の有効性を示した。実験は、KrFエキシマレ-ザ-、YAGレ-ザ-の基本波、2倍光調波光をGd、Alの試料に照射することにより、行った。以下に得られた結論を総括する。・レ-ザ-生成蒸気密度の空間分布はCOS則に比べ、試料垂直方向に指向性がある。蒸発は吸収エネルギ-密度が0.1〜0.5J/cm^2以上のところで起る。・生成蒸気量は、吸収レ-ザ-エネルギ-密度に比例している。・レ-ザ-波長は、吸収率にのみ影響する。・蒸気中イオン速度はMaxwell分布に従う。・イオン速度と同じ速度をもつ蒸気原子が約30%含まれている。・蒸気原子1個生成するのに要するエネルギ-は、レ-ザ-加熱法、電子ビ-ム加熱法共に1×10^<-15>J/Atom程度である。・一次元熱伝導計算により、レ-ザ-加熱試料中温度分布を得た。・高エネルギ-速度成分がもつ蒸気原子が存在すると吸収レ-ザ-エネルギ-が奪われるため、生成蒸気量が少なくなる。蒸気の高エネルギ-成分の低減が効率の向上につながる。
すべて その他
すべて 文献書誌 (1件)