高度学術利用を目的としたNOAA衛星デ-タ処理システムの開発

1989 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 63880007
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 高木 幹雄 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30013113)
• 研究分担者: 喜連川 優 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40161509)
• キーワード: 気象衛星NOAA / 画像処理 / 画像デ-タベ-ス / Meteorological Satellite NOAA / Image Processing / Image Database / 並列処理 Parallel Processing

研究概要

気象衛星NOAAのデ-タは地球上の現象の動的な把握に適し、学術研究に新しい手段を提供出来る。受信・処理システムを充実し、デ-タの提供と処理システム利用の便宜を図り、学術的な共同利用の中心的役割を果たして来た。利用が進むにつれ、
(1)過去のデ-タの遠隔地での検索、(2)補正済みのデ-タの提供、(3)高次利用のために必要な気象、海象、国土情報等の関連デ-タのデ-タベ-ス化等々の要望が寄せられている。本研究ではNOAA衛星デ-タの学術的高次利用を更に一層促進することを目的とし、並列処理によりスル-プットの向上を図り、補正済デ-タの供給を可能とする大容量衛星デ-タベ-ス管理システムの構築を目指している。並列処理アルゴリズムに関しては昨年度購入した並列コンピュ-タシステム・Symmetryに対し、本年度更にプロセッサ数を増加し性能を向上させるとともに、大規模画像の操作の高速化の為メモリも増強した。衛星画像のラジオメトリック補正・幾何学的補正の両処理をル-チンに関し,内部並列性ならびにそのグラニュ-ルについて詳細に検討するとともに実際に直列プログラムを並列プログラムに書き換えSymmetry上で実行し、達成可能な速度向上に関し実験を繰り返した。その結果、ラジオメトリック補正についてはほぼ理想的な並列性が得られ、又幾何学的補正については直列部分が少々あるものの大きな性能向上が達成できた。MOAA画像デ-タベ-ス化については最近その研究が盛んであるオブジェクト指向デ-タベ-スのアプロ-チを採用することを検討した。特に画像デ-タベ-スでは、従来の関係デ-タベ-スに於けるSQLでは記述能力が不充分であり、より高度なアクセス方式の導入が要求される。これらを画像オブジェクトに対するメソッドとして記述することによって一元管理する方式について検討を行った。来年度よりその実装を進める予定である。

研究成果

• [文献書誌] 山本昭夫,高木幹雄: "Extration of Object Featmes and lts Application to Image Retrival" Transactions of the IEICE. Vol.E72 No.6. 771-781 (1989)
• [文献書誌] 曽根光男,坂内正夫,高木幹雄: "気象衛星NOAA画像と海外線デ-タとの位置合わせ処理の高速化" テレビジョン学会誌. Vol.43 No.9. 957-966 (1989)
• [文献書誌] Kyoji Hirata,Mikio TAKAGI: "interpolation Method of HIRS/2 Image Using AVHRR Image" Praeedings of the 6th Scandinavian Conference on Image Anaksis. 835-838 (1989)
• [文献書誌] M.Kitsuregawa,M.NAkayama,M.Takagi: "The Effect of Bucket Size Tuning in Dynamic Hybrid GRACE Hash Join Method" Proceedings of 15th Internatinal Covference on Very Large Data Bases. 15. (1989)
• [文献書誌] L.Harada,M.Kitsuregawa,M.Takagi: "Quey Processing Methed for Multi Attribute Clustered Relation" デ-タベ-スワ-クショップ(電子情報通信学会). (1990)
• [文献書誌] 鈴木慎二,喜連川優,高木幹雄: "ピラミッドアルゴリズムを用いた 並列テンプレ-トマッチングの実装とその評価" 第39回情報処理学会全国大会論文集. 39. 3K-9 (1989)