研究分担者 |
田中 利男 静岡県実験動物農業協同組合, 研究部, 部長
平山 和宏 東京大学, 農学部, 助手 (60208858)
中川 雅郎 国立予防衛生研究所, 獣疫部, 室長 (90072892)
須藤 カツ子 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (50126091)
伊藤 喜久治 理化学研究所, 動物・細胞システム研究室, 研究員 (50100045)
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研究概要 |
SPFモルモットの作出:腸内の優勢菌により無菌モルモットの普通化ができるかどうかを確認するため、2〜3ケ月齢の普通モルモットの盲腸内容物を嫌気性グローブボックス内でTSブロスを用いて希釈し、10^<-5>液をEG寒天培地に接種し、5〜7日間グローブボックス内で培養した。寒天上に発育した菌をかきとり、TSブロスに浮遊させたものを投与材料とし、あらかじめ普通モルモット由来のBacillusまたはBifidobacteriumを投与された無菌モルモットに上記材料を経口投与したところ、臨床的に異常はみられず、体重増加も普通モルモットと大きな差はみられなかった。腸内菌叢の構成も普通モルモットと基本的に変りなく、モルモット固有の病原体の汚染も確認されていない。しかし、作出後1ケ月後では盲腸サイズが普通モルモットよりやや大きく、今後の検討課題である。これらのモルモットはアイソレーター内で正常に繁殖し、現在バリヤー施設に移動してSPFコロニーを作出した。 その他、普通モルモットの盲腸内容物をクロロホルム処理して芽胞のみとした材料並びに普通モルモットより分離したBacteroides,Peptococcus,Eubacterium,Clostridium,Veillonella,Bifidobacterium,Bacillus,Streptococcusを混合したものを経口的に無菌モルモットに投与したが、腹部の膨満や下痢がみられ、投与後3週間以内にほとんどの動物が死亡した。ノトバイオート化に必要な菌種についてはさらに検討が必要である。 SPFウサギの作出:10日齢より分離したBacteroidesをあらかじめ投与された無菌ウサギに、普通ウサギの盲腸内容物の10^<-5>液をEG寒天培地に接種し、グローブボックス内で7日間培養したものをかきとり経口投与したところ、きわめて健康な状態を維持し、普通ウサギと変りない発育をしている。現在アイソレーターで維持している。
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