研究課題/領域番号 |
63880014
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菊田 惺志 東京大学, 工学部, 教授 (00010934)
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研究分担者 |
泉 弘一 東京大学, 工学部, 助手 (10184574)
石川 哲也 東京大学, 工学部, 助教授 (80159699)
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キーワード | X線位相板 / ブラッグケ-ス / 円偏光 / 直線偏光 |
研究概要 |
X線位相板を用いる円偏光X線の生成方法は動力学的回折理論により説明され、従来の方法と比較して多くの秀れた特徴をもっている。とくにシンクロトロン放射によるX線と組み合せて用いることにより、シンクロトロン放射光のもつ性質をそのまゝ兼ね備えた円偏光X線を生成することが可能となる。更に、右まわりと左まわりの円偏光を高速スイッチイグすることや、偏光状態を保存したまゝで波長スキャンすることも可能となる。 昭和63年度において、血晶回転式エッチング装置を設計、制作し、これを用いてブラッグ・ケ-スのX線回折を利用するX線位相板を作成した。この位相板はSi(220)薄板結晶の中央部を直径25mm、厚さ62μmの領域にわたり一様に化学エッチングしたもので、厚さと一様性はX線の吸収によってチェックした。また、ブラッグ・ケ-ス位相板の機能を調べるために予備的な実験を行ない、X線位相板として機能していることを確認した。 平成元年度は、このブラッグ・ケ-ス位相板を組み込んで、新たに円偏光X線回折散乱装置を設計、制作した。位相板の載るゴニオメ-タ-は回転精度0.1秒でパルスモ-タ-により制御され、得られた円偏光X線をX-Φサ-クルに取り付けたサンプルに入射するようになっている。このX-Φサ-クルの位置に直線偏光検光子を置き、位相板によって生成されるX線の偏光状態を測定した。偏光状態は動力学的回折理論により予想されるように変化し、円偏光度90%以上の円偏光X線を得ることができた。
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