研究概要 |
荷電粒子の飛行時間(TOF)分析と粒子信号の波形弁別を組合せる方法をCsエシンチレ-タ検出器系に適用することにより,装置開発の最大の問題点であったバックグランド信号の大巾な低減をはかることに成功した。このことにより試作装置はほぼ完成したといえる。Al箔試料を用いて,14MeV中性子の反応による二次荷電粒子スペクトルを二重微分断面積の形で測定する研究が行われた。Al(n,p)反応とAl(n,d)反応について,それぞれの粒子スペクトルが数角度点について測定出来た。この測定結果を,世界で唯一存在するEーΔE法によるGRIMESの実験デ-タと比較したところ,同等以上のデ-タが得られていることが判明した。したがって,二次荷電粒子スペクトル分析装置として世界第一級の性能を持つ装置が開発されたと考えられる。今後この装置を用いて,核融合開発や核医学で要求される種々核種の二次荷電粒子スペクトルデ-タが得られるであろう。 三年間にわたる本研究のまとめとして成果報告書を刊行した。
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