研究課題
本研究は、音楽教育における技術的側面と情緒的側面を整理し、技術的な部分については、新しいテクノロジーを駆使して、できるだけ多くの学生に、多くの時間、演習の機会を設けられるようにし、かつ音楽科担当の教官から適切なアドバイスを受けられるような環境の開発を目的としている。研究組織を(1)ネットワークハードウエアの試作と基本ソフトウエアの開発(主として、ヤマハ(株)のグループ)(2)教材の精選とカリキュラムの整備(主として、音楽科の担当教官グループ)(3)ピアノ指導に関する知識のデータベース化に関するソフトウエアの開発(教育工学のグループ)の3グループに分け、毎月1回のペースでそれぞれのグループで開発を進めながら全体の連絡会で問題点を検討した。このうち、今年度は、(1)を中心として次のように進めた。まず、教師用端末としてアップライトピアノ1台、ネットワーク制御装置一式、制御用コンピュータを購入し、既存のピアノプレーヤ20台を光ケーブルで接続してネットワーク化した。さらに、各ピアノ室での様子を指導室よりモニターしたり、アドバイスを与えたりできるような、双方向コミュニケーションを可能にするため、ネットワーク基本ソフトを完成させた。演奏データを分析し、個別指導を行うための知識ベースの構築とそのソフトウエア化のためには、音楽の教官グループが中心になって、課題曲の選定を行い、「トンプソン 現代ピアノ教本より『モーツァルトの曲から』」に決定した。さらに、この課題曲を分析し、評価の観点を決め、具体的なルール化を進めている。また、1台の端末を接続した状態で制御用コンピュータに取り込んだデータを解析し楽譜化、これを診断ルールに基づいて課題曲とマッチングを行い、診断するソフトウエアを開発中である。
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