予算交付後、SH波振源テスト装置製作のため、2回の設計会議をひらいた。先ず簡易型の試験装置で基本的な実験を行なうこととし、実験計画をたてた。8月と11月に簡易型試験装置を用いた基礎実験をおこない、本研究予算で製作するテスト装置の仕様を決定した。その製作を民間会社に委託した。 2回の基礎実験で高圧ガス圧と地震波振幅の関係、振源装置近傍での地震波々形、振源装置と地面とのカップリング等について、新たな知見がえられた。それらをテスト装置製作の設計に取り入れることができた。 63年度計画のSH波振源の設計、製作、データの取り込み計算、基礎実験等は当初計画していたように実行することができた。しかし、装置の軽量化を考えていたため、小型の容量が小さなショックアブソーバを用いたが、この強度は我々が興味をもっている周波数帯域よりずっと低周波の衝撃に対するものであり、我々が予想していた強度ではないことが明らかになった。これにより簡易型試験装置はくりかえしの耐久試験に耐えきれず、装置全体の大型化が必要になった。耐久試験は次年へくりこすことになった。 簡易型試験装置の精能・実験結果等は、平成元年春季地震学会で発表される。
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