研究概要 |
安全で繰り返し発振が可能なSH波の地震探査用振源装置開発を目的とし,独自に設計した高圧ガス発射方式によるSH波振源試験装置をメ-カ-に発注し,その製作を昭和63年度に行った.試験装置の稼働テスト実験を平成元年度に実施した.テスト実験の目的は,本研究で新たに製作した試験装置が安全に稼働し,繰り返し発振が可能であることを実際に確かめることであった.その結果,(1)試験装置が実際にS波を励起していること,(2)振源近くでの波形を調べること,(3)地震波振幅とガス圧の関係を知ること,(4)板たたき法との比較を行うこと,等の項目で試験装置の性能が明らかにされた. このテスト実験のとき,衝撃緩衝機構と高圧ガス発射管との間に座屈現象が見られた.今年度は,この試験装置の座屈現象を克服するために,試験装置を改善した.I:高圧ガス発射管を10cm長くし,衝撃緩衝機構が最大縮んだときでも発射管内に残るようにした.II:衝撃緩衝機構を高圧ガス発射管の長さに合わせて整形した.III:高圧ガス発射管のガス抜き穴の位置を変更し,衝撃緩衝機構が最大に縮む前に高圧ガスが抜け出るようにした.IV:衝撃緩衝受け機構のみぞの寸法を変更した. Iは本試験装置を製作したミロク機構株式会社にその製作を依頼した.IIーIVについては,東北大学理学部金工場にその加工を依頼した.試験装置の稼働実験は新しい部品が納入され,機械加工が終了した後,行った. 今回は試験装置の座屈現象がどれほど改善されているかを確かめるだけの実験した.したがって,地震波計測は行わなかった.高圧ガスは従来通り,130気圧に加圧した窒素ガスボンベから供給したガスボンベから供給した.その結果100気圧での20回連続発振で,座屈現象が発生しなくなったことが確かめられた.高圧ガスのコンプレッサ-がないのでこれ以上の繰り返し実験はできなかった.したがって,試験装置な長時間に渡る耐久試験は今後の問題として残ることになった.
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