研究課題/領域番号 |
63890006
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研究種目 |
試験研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
久保田 実 東京大学, 物性研究所, 助教授 (60192035)
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研究分担者 |
鰭崎 有 鈴木商館開発部, 副主幹
柄木 良友 東京大学, 物性研究所, 助手 (30186027)
稲田 ルミ子 東京大学, 物性研究所, 助手 (00114380)
信貴 豊一郎 岡山理科大学, 教授 (80046747)
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キーワード | 超低温 / ヘリウム3ー4希釈冷凍機 / ヘリウム3ジュールトムソン冷却急速冷凍 / 連続冷凍 / フィルムフロー防止 |
研究概要 |
本研究は、絶対温度0.01度以下までの低温度を容易に室温から数時間で作り出し、また急速に室温まで戻すことが出来、しかも必要とあれば長時日に及ぶ連続運転が可能な"運搬が容易にできる新しい形式の希釈冷凍機"を試作開発するものである。 本度年は試作第1号クライオスタット、室温部に設置した外部ヘリウム3循環回路を用いてジュールトムソン膨張冷却を希釈冷凍機に応用した減圧ヘリウム4溜なしにヘリウム3を完全に液化、循環を安定に行わしめる条件を見いだすことに最大の重点があった。試作第1号クライオスタットの内部にフィルムフロー防止型分溜型、連続管式熱交換器、及び混合室を自作し、これに4.2Kからジュールトムソンインピーダンスと熱交換器を復数個作り、冷凍実験に臨んだ。外部ヘリウム3循環回路は気密ヘリウムポンプ類、真空配管部、自ら改造したヘリウム3圧縮機とオイルフィルター、液体窒素ートラップ等を製作しガス回路の清掃に努力を払った。8月以来それぞれ1週間ほどの冷凍実験を繰り返し幾多の経験と新しい知見を得た。特に混合気体の初期液化が当初の見込み以上に効率的で1mole/hour以上の速さが実現し、急速冷凍の見通しができた。またこれまでに200mK以下の温度を混合室で記録した。ジュールトムソン冷却を希釈冷凍機の循環ヘリウム3の液化過程に用いる問題点として流量の変化と温度、圧力の変化を制御する必要が有りこれを実現するため各部の温度及び圧力の同時測定を試みている。'89年5月には結果を報告する予定である。こうして各循環量に対応したインピーダンスシステムを工夫できよう。 これらの経験を基に'89年度に予定している低温ヘリウム循環システムの設計を行う。
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