研究課題/領域番号 |
63890012
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
大槻 説乎 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (70037745)
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研究分担者 |
吉田 隆一 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (70200996)
竹内 章 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (00117152)
近藤 弘樹 佐賀大学, 理工学部, 教授 (10039266)
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キーワード | 知的CAI / ITS / ソフトシナリオ / 教授パラダイム / 教授戦略 / 高度個別教育 / 多方主導対話 |
研究概要 |
高度に個別化された学習環境を提供できる知的CAIシステムを実現するに当たって、われわれはこれまでに、対象領域の専門知識(教材知識)を表現するための知識表現モデル、学習者の誤り原因を同定して学習者モデルを構築する方法、教授パラダイムの実現方法などについて研究を行ない成果をあげてきた。教授パラダイムについては、ヒント、定性的反論、反例、検算、部分問題への展開、誤り原因の説明、過去に犯した同種の誤りの想起などの方法に対応するシステムの応答を、教材知識と、対話の対象になっている問題を教材知識で解釈した結果から、システムが生成する方法を明らかにしてきた。 本年度は、学習者の理解状態、意図、要求に応じて対話内容を柔軟に計画する方法と、対話の文脈を考慮して、過去に行なった対話の内容、将来話題にすると予想される話題、現在の問題を解釈した結果、学習者モデルなどの情報から、学習者を指導する場合にシステムの発話内容を決定する方法、すなわち、何について、どのパラダイムを用いて発話するかを決定する方法を明らかにした。また、評価のために算術に関する教材を作成した。 発話内容決定の基本的なメカニズムは、発話の候補になりうる話題と、その話題を提示するのに適用可能な教授パラダイムの組(アクション)を列挙し、評価因子と変動因子と呼ぶ2つの評価基準を用いて評価し、最適な発話内容を決定する。評価因子は、話題の連続性、誤り原因、学習者の全般的な理解度、話題のパラダイム適合性などで構成され、個々のアクションを評価する。変動因子は、誤りの重大さ、誤り話題に対するレディネスで構成され、学習状況に応じて変動因子に重み付けを行なう。
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