研究領域 | 現代文明の基層としての古代西アジア文明―文明の衝突論を克服するために― |
研究課題/領域番号 |
15H00707
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
亀谷 学 北海道大学, 文学研究科, 専門研究員 (00586159)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | イスラーム史 |
研究実績の概要 |
今年度の研究の結果、中世イスラーム世界から見た古代に関して以下のような成果が得られた。 ①古代遺跡などを中心とした「事物」を媒介とした古代とのつながりについて検討し、平成28年1月24日に山中由里子(国立民族学博物館・准教授)とともに、ワークショップ「中世イスラーム世界から見た古代」を開催し、中世イスラーム世界において記された「驚異の書」において、どのように古代が描かれ、認識されていたかについて報告、議論を行った。 ②研究協力者である松本隆志(中央大学・兼任講師)および大塚修(東京大学・助教)とともに、イスラーム世界で描かれた普遍史の中のイスラーム以前の部分について検討を行い、その中でも史上初の「世界史」と位置づけることもできるヤアクービーの『歴史』について、定期的に研究会を開催し、集中的に検討するとともに、その一部分については日本語訳の作成を行った。 ③海外調査においては、平成27年5月にウズベキスタン共和国ブハラ市近郊のイスラーム以前からイスラーム期をまたいで栄えていた遺跡群の発掘調査を見学し、その連続性や断絶性について情報交換を行った。平成28年3月には、研究協力者である松本隆志とともにバーレーン、アラブ首長国連邦、オマーンにおいて調査を行い、湾岸地域におけるイスラーム以前からの都市の継承やそれを記した文献についての調査を行った。また、同じく3月に北海学園大学非常勤講師の今野毅をトルコ共和国イスタンブル市に派遣し、関連する写本の調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中東地域全体にわたる情勢不安のため海外調査地変更を余儀なくされるなどの事態はあったものの、研究・調査ともに概ね予定どおり進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
第二年度は、第一年度から継続される海外調査や翻訳等を行うほか、最終年度であることを踏まえ、二年間の研究成果を公表するとともに関連分野の報告者を招いてミニシンポジウムを開催する予定である。
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