研究領域 | 古代アメリカの比較文明論 |
研究課題/領域番号 |
15H00715
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
武田 和久 早稲田大学, 高等研究所, 助教 (30631626)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | インカ帝国 / イメージ / イエズス会 / ラプラタ地域 / 植民地政策 |
研究実績の概要 |
本年度は、研究初年度に相当し、主として関連文献の収集ならびに分析を行った。 2015年8月に3週間ほどスペインに滞在し、首都マドリードの国立図書館やスペイン高等科学研究院(CSIC)中央図書館を中心に文献調査を行った。 これらの成果をまとめ、「文明的生活(policia)と共和政体(republica)―先住民統治技法としてのインカ帝国の社会文化的インフラ―」という題目のもと、2015年10月1日に開催された本科研に関わる「古代アメリカの比較文明論」A04班研究会で発表した(関西学院大学東京丸の内キャンパステレビ会議研究室)。 また、2016年2月にはアルゼンチンに渡航し、サンタ・フェ州のサン・ハビエル市に一週間ほど滞在し、スペイン植民地時代にイエズス会布教区として発足した同市の中央広場の位置や形態、広場に面する聖フランシスコ・ザビエル聖堂に併設されている博物館に展示されている物品を調査した。さらに、現代のサン・ハビエル氏の住民がイエズス会布教区という過去の歴史をどのように受け止めているのか、歴史的記憶の現代における活用のされ方について、複数の住民から意見を集めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2015年8月に実施したスペインにおける史料・文献調査において、イエズス会士ホセ・デ・アコスタに関わる、本研究に役立つ諸論文を入手できた。調査後、これらの読解を今日まで進めており、アンデスとラプラタ地域における先住民集住政策の重要な要であったアコスタの思想や人的ネットワークが徐々に明らかになりつつある。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度の研究を踏まえて、本年度は成果を公にしていく。具体的には、2016年6月18、19日、キャンパス・イノベーションセンター東京において、本研究が属する科研プロジェクト「古代アメリカの比較文明論」(研究代表者:青山和夫、茨城大学人文学部教授)に関わる公開講演会と全体研究集会が開催される予定であり、両日にわたり発表する。 また、研究の進捗状況に応じて、国内外での学会での研究発表や、学術雑誌への論文投稿を検討している。
|