平成28年度は、以下の2つについて、実験を進めた。 1. CH2Cl2中で、[PtRh(NH3)2(piam)2Cl3]にPPh3を加え、撹拌後に乾固し、Me2COに溶解させ、NaPF6水溶液を加えて、[PtRh(NH3)2(piam)2Cl2PPh3]PF6を得た。これとK2PtCl4をEtOH中2:1で混合し、撹拌して乾固し、Me2CO/H2Oで再結晶して、五核オリゴマー錯体で、Rh-Pt-Pt-Pt-Rhと並んだ[PtRh(NH3)2(piam)2Cl2PPh3]2[PtCl4] (1)を得た。次に、[PtRh(NH3)2(piam)2Cl2PPh3]PF6のTHF溶液0.1 mMに、Na2PdCl4を一定の割合で加え、紫外可視吸収スペクトルで追跡すると340 nmの吸収は減少し、395 nmの吸収が増大した。この変化は0.5等量加えた時点で終了するので、2:1で反応することがわかった。1と同様の合成法で、Na2PdCl4を用いて、五核オリゴマー錯体でRh-Pt-Pd-Pt-Rhと並んだ[PtRh(NH3)2(piam)2Cl2PPh3]2[PdCl4] (2)を得た。1と2ともに、疎水溶媒中で安定に骨格を維持できることも確認した。 2. cis-[Pt(NH3)2(piam)2]とNa2PdCl4、NaPF6をMeOH-H2O溶媒中で混合し、三核錯体の[Pt2Pd(NH3)4(piam)4](PF6)2 (PtPdPt)を得た。THF中でのPtPdPtのサイクリックボルタンメトリーの結果、E1/2 = 0.17 V (vs Fc/Fc+)に可逆な酸化還元波が、E = 1.06 V (vs Fc/Fc+)に不可逆な酸化波がみられた。
|